運営委員長からのごあいさつ

    1979年、ACTはアジア諸国の社会開発、教育、文化の振興に民間レベルで協力することを目的に、日本初のコミュニティ型・募金型公益信託として設立されました。これまでにアジア15カ国で、総額5億8,000万円以上にのぼる支援活動を行っています(2012年3月現在)。
    日本の国民、企業、団体など民間からの寄付金で成り立つ公益信託として、ACTの過去30年の活動推移は、日本経済の状況が反映されていることがわかります。日本経済が困難な状況にあるときでも、アジアの人々と共に生きて行こうという国民一人ひとりの思いは衰えず、むしろ高まっていたことを実感しています。
    アジアには中国、インドなどBRICSといわれている大国とバングラデシュ、パキスタン、スリランカのような貧しい国とが混在しています。日本は「グローバル化」、「証券化」の流れの中で、東日本大震災からの復興、原子力問題へ対応に苦闘しています。最近の欧州通貨危機は、欧州向け輸出が20%の中国、インドをはじめとして、アジア諸国の経済にも大きな影響を与えています。日々変化する状況のなか、ACTはアジア諸国のニーズに即したプログラムを実施し、現地NGOを始めとした民間機関と連携しながら、適時に、最大成果をあげるよう、問題解決を図るための努力を続けてまいります。
    皆様のより一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

大場智満
公益信託アジア・コミュニティ・トラスト 運営委員長
2012年9月

事務局長からのごあいさつ

    ACTが「アジアの中の日本として、同じアジアの人々を応援する」という姿勢で続けてきた30年以上にわたる草の根の活動は、いま、アジアの中における日本と他の国々の人々との「絆」という大きな財産となっています。そのひとつの表れとして、2011年3月の東日本大震災後、これまでにACTを通して支援を行ってきたアジア各国の人々から、2011年度を通じて数々の応援のメッセージや、寄付がACT事務局に寄せられました。ACTが現地の人々と真摯に向き合い、地道に活動を続けてきたからこその、財産であると思います。
    近年、ACTが助成対象としているアジア諸国はそれぞれに経済的発展を遂げつつありますが、学校へ行けない子どもたちへの教育支援、土地なし農民や都市貧困者等への支援、男女の社会的地位の格差是正の支援等、ACTに対する現地のニーズと期待は大きいものがあります。本来ならば、これらの問題は、それぞれの国の政府が対処、解決すべきものですが、政府自体に予算がなく、または極めて乏しく、海外からの支援が必要とされています。日本政府も支援を行っていますが、その多くはインフラ整備に向けられています。ACTとしては、草の根レベルの民衆の自立自助に向けて、細やかな支援を行って参る所存です。そして国境を超えた人と人との繋がりを築いて参ります。
    私たち事務局では、異文化社会における開発現場での調査、申請案件の査定、成果を生み出す事業の選択、そして助成後のモニターや評価活動における専門能力をさらに高め、日本の支援者の方々のご期待に沿う活動を行って参りたいと考えます。
    最後に、2011年度末にACTに特別基金2件が誕生しました。ひとつは、日本の大学・大学院で勉強するアジアからの留学生等に対する支援基金、他はインドネシアのスンバワ島出身の大学生向け奨学基金です。これらの基金の活動は2012年度に始まり、ACT報告やウェブサイトにてご紹介いたします。
    アジアの人々との「絆」をさらに広げていくため、皆様の一層のご支援をお願い申し上げます。

伊藤道雄
公益信託アジア・コミュニティ・トラスト 事務局長
2012年9月