持続可能な農業普及事業

※この活動は終了しています。


環境保全型農業には、有機農業、自然農業、持続可能な農業など、さまざまな呼び名、種類があります。ACC21はその中でも"自然農業"が特に有効であると考え、アジア各国への普及を促しています。

自然農業とは

「なぜACC21は自然農業に注目したのか。それには3つの理由があります」

1.土着微生物をはじめ、現地資材を最大限利用すること

自然農業では、土着微生物や野草など、その地域にある資材を最大限活用します。そのため、農業生産に必要な物資を購入する費用が抑えられ、外部資材にも頼らずに済むので、農民の自立性を高めることができます。

2.有畜複合経営であること

豚、鶏、牛など家畜飼養を農業に組み込んでいます。エサは土着微生物などを活用し低価格に抑え、有機質肥料が生産されるので肥料費も節約できるため、高い収益性が確保できます。糞尿公害や臭いも自然農業ではほとんど発生しません。

3.零細・小規模農家でも適用可能であること

現地の資材を最大限利用するため、零細・小規模農家でも適用が可能です。作物の健全な成長と高い収量などの効果が目に見えるため、農家の将来を担う若者にも夢と生きがいを与えることができます。

このように自然の力をうまく引き出す自然農業は、アジアに適した優れた農法といえます。

「アジア自然農業普及プロジェクト」―インド、インドネシアの現地NGOおよび農民組織と連携した技術マニュアル出版・普及と農民トレーナーの育成―

以上のような背景から、ACC21は「アジア自然農業普及プロジェクト」を2009年11月から2年計画でスタートさせ、韓国の農業専門家により開発された"自然農業"をインドとインドネシアで普及する活動を現地NGOと協力して始めました(助成:(財)トヨタ財団)。

主な活動内容

1. 自然農業技術のマニュアル作成と出版(英語版と現地語版)

2. 自然農業トレーナーの養成

農民リーダーを対象にした趙漢珪博士による研修後、農民リーダーたちは自然農業トレーナーとして近隣農民に方法論と技術を普及する。

3. NGO、自治体、大学関係者を対象とした研修

農業、農村開発に取り組む現地NGOの農業技術指導担当者、自治体農業局担当者、農業大学関係者等専門家を対象とした趙漢珪博士による技術研修を行う。研修終了後、各参加者の自然農業の普及への取り組みについて現地パートナーNGOが定期的にモニタリングを行う。

4.ウェブサイトでの情報公開と共有

各国での自然農業への取り組みを掲載し、成功例・失敗例・問題解決手法及び自然農業の促進を通じたコミュニティ再生等の事例を共有する。

現地協力団体・パートナー

韓国自然農業協会/趙漢珪(Cho Han Kyu)氏

1935年、韓国京畿道水原で農家の三男として誕生、62年、水原農林高等学校卒業(27才)。65年に農業研修のため来日、ヤマギシ会などで3年間学び、その後韓国各地で自然農業を普及。75年プルムトゥレ(緑の結)営農会設立(87年韓国自然農業中央会に改組)。92年日本の月刊「現代農業」に『感の農法』を連載、日本農業界に土着微生物、天恵緑汁ブームを巻き起こす。93年日本に「韓国自然農業中央会と交流する会」(現日本自然農業協会)発足。94年(社)韓国自然農業協会設立、会長(~現在)。95年韓国農協中央会と自然農業の教育契約締結。その後中国、モンゴル、タイ、ベトナムに研究所・自然農業センター等を設立。
2004年日韓国際環境賞受賞、05年中国政府から友為賞(中国のために尽力した外国人に与えられる賞)受賞。現在、韓国政府内の農業改革前進化委員会・政策提言部会の委員。日本語の著作:『土着微生物を活かす』、『天恵緑汁のつくり方と使い方』(いずれも農文協)など。

Yayasan Bina Desa ‐インドネシア

1975年6月に西ジャワ州で設立された同国で最も歴史の長いNGOのひとつ(本部ジャカルタ)。過去30年間全国規模で持続可能な農業を推進。AsiaDHRRA、ANGOC(事務局いずれもフィリピン)のメンバー団体。2005年9月に現地で趙博士の指導を受けて以降、インドネシア国内で自然農業の普及に取り組んでおり、現地トレーナー24人を育成し、実践農家は西スマトラ、アチェ、中部・西・東ジャワなど9県404人にのぼっている。

South Asia Rural Reconstruction Association (SARRA) ‐インド

農村再開発国際研究所(IIRR、本部フィリピン)の地域ネットワーク・パートナーとして1984年に設立。インド、ネパール、バングラデシュ、スリランカなど各国からのIIRR卒業生の協力のもと、IIRRはANGOC(アジア農地改革・農村開発NGO連合、本部フィリピン)と協力して農村開発や地域活性化分野のトレーニング・プログラムを推進し、SARRAはインドにおけるネットワーク・パートナーとして参加した。これまでに南アジアの開発実践者約390人を対象とした17の地域リーダーシップ・トレーニング・プログラムを開催し、育成された専門家は、自国にもどって同様のネットワークを広げ、1988年にはバングラデシュ農村復興連合(BARRA)やネパール農村復興連合(NERRA)を生み出すに至った。SARRAは持続可能な農業と自然農業という分野における戦略的リソース・センターとして機能し、アジアの在来知識システムを基礎とした農業を促進している。本部:カルナタカ州バンガロール市。