フィリピンにおける革新的ソーシャル・ビジネスへのお誘い

フィリピンの「草の根起業家」たち

モネットさん(50歳) ~裁縫で9人家族の家計を支える~

 CARDメンバーになって11年になるモネットさん。5,000ペソ(約11,200円/ 6カ月返済)から始まったローンは、現在45,000ペソ(約100,800円 / 6カ月返済)にのぼります。その半分は裁縫の材料購入費、残りの半分は夫が所有するトライシクル(三輪タクシー)のローン返済に充てています。 毛糸で編んだバッグやポーチなどをCARD-BDSFI(CARDビジネス開発支援財団)からの注文に応じて制作し、平均すると月に8,000ペソ(約17,920円)ほどの売り上げになります。夫はトライシクル(三輪タクシー)のドライバーで 一日の稼ぎは400ペソ(約896円)ほどです。 家族は25歳から30歳の3人の子どもと、結婚している一番下の娘の夫と孫3人の9人で、家賃7,500ペソ(約16,800円)の小さな貸家に住んでいます。モネットさん一家の夢は、広い家に引っ越すこと。そのために日々の仕事を頑張っています。



ベラさん(53歳) ~夫婦で始めたお菓子作りがビジネスに~

 ベラさんが19年前に自宅で始めたお菓子作りは、今や60人の従業員を雇用するまでに大きくなりました。数年前にご主人を亡くし、今はベラさんと息子、そして娘の家族が参加し経営しています。お菓子はココナッツなど地元の農産物を原料とした100%手作りで、学校の売店などに置かれ子どもに大人気です。
 ベラさんがCARDのメンバーになったのは2006年、当時の従業員数はまだ20人でした。最初は資金繰りのために5,000ペソ(約11,200円 / 3カ月返済)のローンからスタートしましたが、CARDの支援を受けて、順調にビジネスを拡大してきました。2009年にはマイクロファイナンスを卒業し、現在はカード中小企業銀行(CARD SME Bank)から200万ペソ(約448万円)の融資を受けて新しい5階建て工場を建設しています。
 さらに、CARD-BDSFI(CARDビジネス開発支援財団)から、他のメンバーを紹介されたことで、それぞれの取引先を活用してビジネスの機会を拡大することができ、感謝しています。



デイジーさん(50歳) ~夫婦で野菜を育てています~

 デイジーさんは小さな畑で夫と野菜を栽培しています。その販売収入2,000ペソ(約4,480円)と、市場での野菜仕入販売による収入2,000ペソと合わせて、月4,000ペソ(約8,960円)の収入があります。
 しかし、この収入だけでは子どもを学校に通わせることができません。そこで、すでに独立した子ども3人からの仕送り(月24,000ペソ(約53,760円))を収入に合わせて、一番下の子どもをなんとか学校に送っています。CARDから借りているローンは22,000ペソ(約49,280円 / 12カ月返済)で、農業用の種子や肥料の購入、そしてバイク購入のローンの返済に充てています。



メロディさん(46歳) ~夫の工場の経営を支える~

 メロディさんは、2000年に革職人の夫が独立するタイミングで、CARDメンバーとして参加しました。夫婦2人で始めた革製品の工場も、従業員6人を雇用するまでに成長しました。CARDから のローンも45,000ペソ(約100,800円 / 6カ月返済)になりました。現在ではフィリピン国内のアパレルメーカーからの注文が安定的に入り、またCARD-BDSFI(CARDビジネス開発支援財団)からの注文も全体の3分の1を 占めています。 このおかげで、現在、17歳と18歳の子どもを専門学校に通わせることができるようになっています。



フローレンスさん(36歳) ~複数のビジネスを掛け持ちし、一家の大黒柱に~

 フローレンスさんは、市場で安く仕入れたブランド石鹸や洗濯洗剤を小分けにして近所に訪問販売したり、ピーナッツバターの仕入と訪問販売や洗濯の代行などの複数の商売を行っています。合わせて月に 15,000ペソ(約33,600円)を稼ぎ、5人の子どもを学校へ通わせています。大工の夫は月収10,000ペソ(約22,400円)ほどの稼ぎがあり、夫婦合わせると家計に余裕がでてきました。CARDからは8,000ペソ(約17,920円 / 9カ月返済)を借り、商品の仕入れに活用しています。



メリンダさん (年齢不詳) ~小さな雑貨店の経営が年間500万円規模のビジネスに~

 メリンダさんの夫は、3人の子どもの教育費のために、船員として海外に出稼ぎに出ています。その間、メリンダさんは、地域の小さな雑貨店の経営とココナッツの仲買で生計を立てていました。メリンダさん夫婦の努力で稼ぎは順調に増え、夫の仕送りと合わせて車と土地を購入しました。雑貨店を拡大し、パンや調味料、ココナッツパイなどの食料品の販売も始めるようになった 2008年に、CARDのメンバーとなり、最初のローン・15,000ペソ(約33,600円)を受けました。CARDのローンで、それまで近隣の業者から仕入れていたココナッツパイの製造をはじめたところ、近隣の町やバスターミナルにも販路を拡大できるようになりました。今では5人の従業員を雇用し、180万ペソ(約403.2万円)の年間売上を上げるまでに成長しました。



* 1ペソ=2.24円(2017年4月10日の為替レート)