フィリピンにおける革新的ソーシャル・ビジネスへのお誘い phil_social_business.JPG

アジア ・コミュニティ・センター21(ACC21)は、アジアの「草の根起業家」として立ち上がろうとする人々を支援し、貧困からの脱却と自立を促します。
この目的を実現するため、ACC21は、アジア各国の現地NGOと協力して、アジアの「草の根起業家」と日本の企業の橋渡しの役割を果たします。その最初の取り組みとして、ACC21の設立以来のパートナー団体・フィリピン最大のマイクロファイナンス機関「CARD MRI(CARD相互補強機構)」と協力し、日本企業によるフィリピンの「草の根起業家」支援のモデル開発に取り組んでいます。


CARD MRIとは CARDのマイクロファイナンス・サービス フィリピンの「草の根起業家」たち 日本企業の皆様へ


フィリピンの「草の根起業家」たち

フィリピンでは、他のアジアの国と同じように、多くの貧しい人々が、収入向上のため、商店の経営や洋裁、有機農業などの小さなビジネスに取り組んでいます。その取り組みを支えているのは「マイクロファイナンス」です。 マイクロファインナンスとは、貧困層を対象に零細規模のローン(融資)、貯蓄、送金などさまざまなサービスを提供する金融の仕組みです。マイクロファイナンスの主な提供機関は、国から金融機関として運営認可を受けている「マイクロファイナンス機関」や、信用組合、NGOなどです。なかには、ACC21のパートナー団体のCARD MRI(CARD相互補強機構)のように、農村開発や都市貧困層支援をしていたNGOがマイクロファイナンス機関に成長し、フィリピン最大規模にまで活動を拡大している例もあります。

CARD MRIとは
1986年、農村支援のNGO・CARD(Center for Agriculture and Rural Development:農業・農村開発センター)としてスタートし、その後貯蓄、保険、ビジネス開発、研修などを提供する機関を次々と設立。2017年9月現在、22機関からなる「CARD MRI」(CARD Mutually Reinforcing Institutions、カード相互補強機構)を構成している。CARD MRIは「アジアのノーベル賞」と称されるラモン・マグサイサイ賞(公共サービス部門、08年)を受賞した。フィリピン最大のマイクロファイナンス機関であると同時に、ビジネス開発を通じて貧困削減に貢献する社会開発グループと位置付けられる。


このCARD MRIは、貧しい女性たちに金融サービスを提供することで、女性たち自身が「会社のオーナー・経営者」として成長することに重点に置き、数多くの実績を残しています。なかには、ビジネスを大きく成功させ、100人以上の従業員を抱える女性もいます。一方、品質改善、商品のマーケティングなどに課題を抱え、思うように事業を発展させられていない女性起業家もいます。
ACC21は、このように「草の根起業家」として活躍する女性たちが、事業をさらに持続的に発展させることができるように、同時に日本企業のビジネスチャンスにつながり共創関係ができるよう、日本と現地起業家の橋渡し役を担っていきます。


考えられる支援のかたち

アジアの「草の根起業家」たちは、裁縫、お菓子作り、工場経営、有機農業など、さまざまなビジネスに従事しています。その商品の質の向上やマーケティングなどの面での手助けを必要としています。

たとえば、貝殻細工製品の加工、市場確保、有機農業商品の市場確保等・・・

(参考)データから見るCARD MRIのいま

2017年8月現在、グループ全体で約471万人のメンバー(CARD MRIでは顧客を"メンバー"と呼びます。その9割以上が女性です)を対象に、少額の融資、貯蓄、保険などのマイクロファイナンス・サービスを提供しています。メンバーの家族も対象となる共済保険を含めると、被保険者数は約1,403万人、フィリピン総人口の 14%に相当します。
融資残高は182億ペソ(約399億円*)、返済率99.35%となっています。
海外を含め全体で2,774カ所の事務所があります。海外にはベトナム、カンボジア、ラオス、インドネシア、香港に提携事務所があり、2014年にはミャンマーでマイクロファイナンス・サービスを開始しました。
2017年8月現在、スタッフ総数は13,557人(協力者を含めれば、全体で15,896人)です。

* 1ペソ=2.19円(2017年9月20日の為替レート)

CARD MRIを構成する22機関 [詳細は末尾参照]

1.

NGO

(1) CARD, Inc. (別称:CARD NGO) *非営利

2.

銀行グループ

(2) CARD Bank, Inc.(CARD 銀行)

(3) CARD SME Bank, Inc. (CARD 中小企業銀行)

(4) Rizal Bank, Inc. (リサール銀行)

3.

ファイナンシンググループ

(5) CARD EMPC(CARD 従業員のための多目的組合)  *非営利

(6) CARD LFC (CARD リース金融会社)

(7) RISE, Inc. (連帯・エンパワメント責任投資金融会社)

4.

情報技術グループ

(8) CMIT, Inc. (CARD MRI 情報技術社)

(9) FDS Asya Philippines, Inc(FDS アシャ・フィリピン社)

(10) FDS Asya Pte.Ltd.(FDS アシャ有限会社)

5.

マイクロ保険グループ

(11) CARD MBA, Inc.(CARD 共済保険組合)  *非営利

(12) CaMIA, Inc. (CARD MRI 保険代理店)

(13) CPMI (CARD パイオニア マイクロ保険会社)

6.

保健プログラム

(14) BotiCARD Inc. (ボティ・カード社)

(15) CARD MRI Clinics/Partnership with Hospitals(診療所/病院との連携)

7.

資産補強サービスグループ

(16) CARD MRI Property Holdings (CARD MRI 資産ホールディングス)

(17) CARD MRI Holdings (CARD MRIホールディングス)

8.

顧客への市場開拓支援グループ

(18) CARD-BDSFI (CARD ビジネス開発支援財団)  *非営利

(19) Mga Likha ni Inay, Inc.(マガ・リクハ・ニ・イナイ社)

(20) CARD Hijos Tour Company(CARDイホス旅行社)

9.

教育・通信グループ

(21) CMDI, Inc. (CARD MRI開発大学校 ) *非営利

(22) CARD Publishing Company(CARD出版社)


CARD MRIの受賞歴

・フィリピン中央銀行ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)賞(2013年)
・ラモン・マグサイサイ賞(公共サービス部門、2008年)
・大統領民衆パワー賞(コラソン・アキノ前大統領、2005年)
・グローバル・マイクロファイナンス優秀賞(米国グラミン財団、2003年)
・フレーム優秀賞(マイクロファイナンス標準連合、2000年)


創設者ハイメ・アリストトゥル・B・アリップ

アリップ氏

【現職-主要な役職のみ】
・CARD MRI常務理事
・International Cooperative and Mutual Insurance Federation
 (国際協同組合保険連合、本部:英国)理事
・Population and Community Development Association
 (人口・地域開発協会、タイ)マイクロファイナンス上級アドバイザー

【過去の主な職歴】
・マイクロファイナンス情報データ共有システム(フィリピン) 会長〔2012年~2017年1月〕
・Oikocredit(本部:オランダ)理事〔2008年~2014年〕
・米国グラミン財団(米国)国際諮問委員会委員〔2006年~2010年〕
・フィリピン政府社会福祉開発省次官〔2002年~2003年〕
・フィリピン政府農地改革省次官補〔1996年~1998年〕

【学歴】
・ハーバード大学ビジネススクール経営プログラム修了(2007年)
・東南アジア学際開発大学(SAIDI)で組織開発学博士号取得(2002年)
・フィリピン大学農業マーケティング修士号取得(1983年)


cardmri-logos.jpg

1. NGO

(1) CARD, Inc.

〔CARD, Inc.:Center for Agricultural Development, Inc. 通称:CARD NGO〕
1986年に社会サービス団体として誕生したCARDは「貧困女性が所有し運営する銀行」をめざしてマイクロファイナンス事業を展開し、フィリピンにおいてマイクロファイナンス業界の先頭を走り続けています。 同時に、保健、生活向上、環境、教育などコミュニティ開発サービスも提供しています。


2.カード銀行グループ

(2) カード銀行:CARD Bank

〔CARD Bank〕
1997年、CARDは銀行ライセンスを得て、マイクロファイナンス・サービスを行うフィリピン最初の地方銀行としてラグナ州サンパブロ市に銀行を開設しました。 その目的は、さまざまな金融・非金融サービスを貧困者に提供することで、融資、貯蓄に加え送金サービスなども行っています。


(3)カード中小企業銀行:CARD SME Bank

SME Bank は、零細規模から中小規模に成長した起業者に対して、必要な運転資本のための融資を行います。その融資額は、最大限500万ペソ(約1370万円)、融資期間は3ヵ月間から最長3年間となっています。


(4)リサール銀行:RBI (Rizal Bank, Inc.)

リサール銀行(旧称:リサール農村銀行)は、1996年にリサール州タイタイ市で誕生したマイクロファイナンスを主業務とする銀行です。2013年にCARD MRIは、この銀行を創業者から買収し、現在、都市及び半都市部に居住する貧困者を特別対象者として金融サービスを提供しています。


3.カード・ファイナンシンググループ

(5)カード従業員のための多目的組合:CARD EMPC

〔CARD EMPC:CARD Employees Multi-Purpose Cooperative.〕
CARD従業員多目的協同組合(CARD EMPC)は、そのメンバーすべてがCARD MRIグループの全従業員であり協同組合開発局に正式に登録されています。 それは従業員の相互互助基金として開始されましたが、メンバーのニーズに応えるため2004年5月11日、組合に編成され、メンバーに貯蓄と融資サービスを提供しています。 CARD EMPCは持続可能で敬愛される地元の従業員協同組合として活動し、メンバーとその家族が、最高の望ましい暮らしを生き抜くための意欲的な専門家や個人になることを支援します。


(6)カード・リース金融会社:CARD LFC

〔CARD LFC:CARD Leasing and Finance Corp.〕
CARD MRIのメンバー機関が必要とするパソコン、複合機などさまざまな事務機器や設備を調達し提供するリース会社です。同時に外部の小規模事業者、協同組合、マイクロファイナンス機関にもサービスを提供しています。2013年1月10日証券取引委員会に正式登録。


(7)連帯・エンパワメント責任投資金融会社:RISE

〔RISE:Responsible Investments for Solidarity & Empowerment (RISE) Financing Company, Inc.〕
RISEは2000年にCARDとカソリック・救援サービス(CSR)とそのパートナー団体(カリタス・フィリピン、ネグロス女性未来財団、アド・ジェスム開発財団)の共同出資によって設立されました。そしてその業務は、教育機関、マイクロフィナンス機関、協同組合、農村銀行などに対するファイナンス・リース、オペレーティング・リース、そしてホールセール融資を行うことです。教育分野では、e-Learning導入支援も実施しています。


4.カード・情報技術(IT)グループ

(8)カードMRI 情報技術社:CMIT

〔CMIT:CARD MRI Information Technology, Inc.〕
ITサービス企業としてCARD MRIグループ機関のマイクロファイナンスとマイクロ保険業務に関わる情報システムやデータベースの開発とサポートを行います。 銀行システム、保険情報システム、モバイルバンキングの開発など幅広い商品を開発しています。


(9)カード・アシャ・フィリピン社

〔FDS Asya Philippines, Inc.〕
2016年8月16日に設立されたIT企業。銀行や金融サービス向けの世界的な銀行業務アプリケーションの共有サービスプロバイダーです。 その使命は、業務生産性と収益性を向上させる技術サービスを通じて銀行業界に貢献することです。 CARD MRI内の金融機関だけでなく、グループ外の他の銀行機関のITニーズにも対応しています。


(10)FDS アシャ有限会社:FDS Asya Pte.Ltd.

〔FDS Asya Pte. Ltd.〕
2016年6月6日にシンガポールに設立されたIT企業であり、ソフトウェアおよびプログラミング開発ならびにビジネスおよび経営コンサルティングサービスに従事しています。 インドネシアの企業Fortress Data ServiceとCARD MRIのベンチャー事業です。 貧困削減のための情報通信サービス(ソフトウェア開発、コンサルティング、 ウェブ・デザイン、技術支援)を提供。


5.カード・マイクロ保険グループ

(11)カード共済組合:MBA

〔CARD MBA:CARD Mutual Benefit Association, Inc.〕
1999年に発足したカード共済組合は、CARDメンバーにマイクロ保険を提供しています。たとえば、メンバーは、毎週15ペソ(約41円)の掛け金で、自分と家族のための生命保険に加入することができます。保険は、死亡、事故、障害、年金、退職金など幅広い範囲をカバーしています。 また手続きを簡素化することで保険金支払いの申請から最短1日、最長でも5日以内に保険金の支払いを行います。


(12)カードMRI保険代理店:CaMIA

〔CaMIA:CARD MRI Insurance Agency, Inc.〕
CaMIAは、保険代理店として2007年に設立されました。保険は、自然災害の影響を最も受けやすい貧困者を対象にしたもので、生命保険と損害保険を組み合わせたサービスを行います。


(13)カード・パイオニア マイクロ保険会社:CPMI

〔CPMI:CARD Pioneer Microinsurance Inc.〕
CARDはフィリピン最大手保険会社のひとつで生命保険以外もカバーしているPioneer Life社と提携し、カード・パイオニア マイクロ保険会社を2013年10月に設立し、2014年1月から完全営業を開始しました。貧困者向けの損害保険サービスのほかに、マイクロ保険を普及するためにエージェント(販売代理人)の教育にも力を入れています。


6.カード保健プログラム

(14)ボティカード社:BotiCARD Inc.

2011年5月に正式登録。今まで家計が苦しく、また近くに薬局がなく医薬品の購入が困難だった貧困者のために、安くて安全で質の良いジェネリック医薬品を取り扱う薬局を展開しています。また顧客に対する健康サポートプログラムや保健教育も実施しています。


(15)診療所/病院との連携:CARD MRI Clinics/Partnership with Hospitals

診療所/病院との連携プロジェクトは、カードの顧客とその家族に安価な医療サービスを届けることを目的としています。連携プロジェクトは、当初7名の医師との連携で開始されましたが、2016年段階で600名以上との連携が実現しています。医師や看護師が、通常医療サービスにアクセスできないコミュニティを訪問して診療を行う「コミュニティ診療所」というプロジェクトも開始されています。


7.カード資産補強サービス

(16)カード資産ホールディングス:CARD MRI Property Holdings

〔CARD MRI Property Holdings, Inc.〕
カード資産ホールディングスも投資業務に従事しています。 CARD MRIがリースして事業を開始、継続、拡大することができる不動産や建物などの様々な資産を所有しています。 また、CARD MRIグループの土地、建物、事務所の建設、保護、管理にも携わっています。 同社は2016年11月10日に設立されました。


(17)カード・ホールディングス:CARD MRI Holdings

〔CARD MRI Holdings, Inc.〕
カード・ホールディングスは、2016年7月29日に設立された企業で、他の企業への投資、所有および利権取得業務に従事しています。 CARD MRIグループの拠点として、フィリピン国内のみならずCARD MRIが事業を展開している国外でのグループのビジネス・チャンスを最大限にするために貢献します。


8.CARD顧客への市場開拓支援

(18) カードビジネス開発支援財団:CARD-BDSFI

〔CARD-BDSFI:CARD-Business Development Service Foundation Inc.〕
カード・ビジネス開発支援財団はCARD MRIメンバーのマーケティング開発をサポートし、メンバー同士のビジネスを仲介する開拓的かつ柔軟で革新的な機関です。 農産物から工芸品、工業製品、そしてエネルギー分野までカバーし、メンバーのビジネスの発展と収入向上を支援するためのさまざまなプロジェクトに挑戦しています。


(19)マガ・リクハ・ニ・イナイ社:MLNI

〔MLNI:Mga Likha ni Inay, Inc.〕
"マガ・リクハ・ニ・イナイ"(タカログ語で、"お母さんが作ったもの"の意)は、CARDメンバー(融資を受ける顧客)の製品のブランド名で、フィリピン国内の主要ショッピング・モールで販売されています。元々、カードビジネス開発支援財団 (CARD-BDSFI) の一事業でしたが、2014年に企業として独立しました。フィリピンの天然素材や伝統柄をもとにした製品(ドレス、アクセサリーなど)、農産物加工製品(コーヒー、オイル、果実酒など)などを開発、販売しています。


(20)カード・イホス旅行会社:CARD Hijos Tour Company

〔CARD MRI Hijos Tours, Inc.〕
2017年7月11日に、カード・イホス旅行会社がフィリピンの歴史的な過去や文化とマイクロ起業家や社会的企業との結びつきを促進する遺産旅行を提供するために設立されました。 遺産旅行では、より多くの顧客がフィリピン人として新たな収入源を作り、職人としての技能を磨くことの支援を目指しています。CARD MRIの企業通信部門のプログラムとして開始されたイホス旅行会社は、現在、CARD MRIの顧客ならびに一般の人々に旅行プログラムを提供しています。


9.教育・通信グループ

(21)カードMRI開発大学校:CMDI

〔CMDI: CARD-MRI Development Institute, Inc.〕
CMDIは、CARD MRIの教育部門の役割を果たし、メンバー機関の職員とマイクロファイナンス顧客に実践的なトレーニングと教育活動を行っています。そして、ビジネス支援を目的としたワークショップを行います。 CMDIは、また国内外の多くの高等教育機関と提携しており、各家庭で1名は大学卒業者が出ることを目的にしています。このほかマイクロファイナンスとマイクロ保険の起業家育成の学位コースを提供しています。さらに奨学金プログラムを有しており、2016年までの累計で3500名が奨学金を受けて卒業し、その時点で3千名以上が奨学金を受けています。また、落伍児童ゼロを目指して、教育ローンを提供し、2011年以来、38万名の児童が恩恵を受けました。


(22)カード出版社:CARD MRI Publishing Company

〔CARD MRI Publishing Company, Inc.〕
CARD MRI出版社も(カード・イホス旅行会社と同じ)2017年7月11日に設立され、革新的で実用的なストーリーを紹介することによってCARD MRIの顧客の能力を高めることを目的とします。 CARDMRIの出版物では、個々人を啓発し、最終的にこれらの人々をコミュニティの責任ある市民に成長・発展させることを目指しています。 同社の主要な出版物の1つは、CARD MRIの開発新聞である「スロング(Sulong)」で、国内隅々に配布され、数百万人の顧客と従業員に届けられています。 この新聞は、2017年8月から一般にも配布されています。







お問い合わせ

(特活)アジア・コミュニティ・センター21
NGO・ビジネスパートナーシップ・プログラム
〒113-8642 東京都文京区本駒込2-12-13 アジア文化会館 1階
電話:03-3945-2615
Eメール:sbpartnership@acc21.org