ストリート・チルドレン支援
フィリピン・ストリートチルドレン支援

 私たちアジア・コミュニティ・センター21(ACC21)は、フィリピンで貧困のどん底の中で路上生活を余儀なくされている子ども・青少年たちへの支援活動を現地NGO(市民団体)と協働して、以下の2事業を推進します。


 ひとつは、貧困のため学校へ行けない路上生活する子どもたち(ストリートチルドレン)への路上教育。もうひとつは、15歳以上のストリートチルドレンで上記の路上教育に参加し、積極的に生きようとする意欲を持つ青少年を対象にした職業技術訓練とその後の就職活動を補助する事業。


 これら2事業のねらいは、すべての子どもに与えられている「子どもの権利」を、極度の貧困のために路上生活をする子どもたちも平等に享受し、家族に戻り、社会生活ができるようにすることです。そして世界193ヵ国が国連の場で2015年に採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」の関連目標の実現に寄与し、基本理念『誰一人取り残さない』を実行していくためです。


 私たちは、これらの事業を行うため、ストリートチルドレン支援で長年の実績を持つ現地NGO「Childhope Asia Philippines」(チャイルドホープ)と協働します。


 ぜひ、皆さまも本活動に参加し、応援してください。そしてストリートチルドレンと呼ばれる子どもたち・青少年たちが、可能な者は家族の元へ戻り、自立していく者は技能を身に付け、社会に貢献できる仲間になれるよう、手を貸してください。

 現在、ACC21では、これら事業を推進するための募金活動を行っています。

 ACC21へのご寄付は、税制上の優遇措置の対象となります。[詳細]


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フィリピンのストリートチルドレンの状況

 東南アジアの中でも、とくに貧富の格差が大きいフィリピン。日本からも多くの観光客が訪れる観光都市マニラ市では、高層ビルや高級ホテルが立ち並び、豪華なショッピングモールそして街中を歩けば数十メートルおきにレストランや日本のコンビニエンスストアが。人々の消費生活には活気があります。


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 一方、高層ビルの裏通りや、コンビニエンスストアの前には子どもを含む路上生活者の姿が。夜になると、食べ物や施しを求めてその数は増えます。現在、政府はしっかりとしたデータを持っていませんが、民間の調査によると、2012年現在、マニラ首都圏では50,000人から75,000人のストリートチルドレンがいます。そして、貧富の格差が拡がる過去数年間、その数は増えていると関係者は言います。これら子どもたちは、学校に行けず、生き残るために物乞いをしたり、ゴミ集めなどの仕事をします。なかには犯罪に手を染めてしまう場合もあります。


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私たちの支援事業

●路上教育

目的

貧困等のため路上生活する子どもが、基礎的な保健知識を持ち、健康管理ができるようにする。
自分に与えられている「子どもの権利」について理解させる。
周囲の危害から自分の身を守ることができるようにする。
自立した形で、社会生活を送ることができるようにする。
親(受入れる親がいない場合は親戚)の元に戻るようにし、いっしょに暮らせるようにする。

対象地

フィリピン・マニラ首都圏6市15地区

参加者

路上生活を送っている子ども年間約200名

事業内容

マニラ首都圏の6市15地区で路上生活するストリートチルドレン約200名に対し、路上での教育(学校外における代替教育)を実施する。(教育内容は、保健教育、子どもの権利と責任、虐待からの予防、倫理教育(価値観の教育)等。)*識字教育は別プログラムで実施。
15人の路上教育者(教師8名と社会福祉士7名)が毎週、火曜日から土曜日に、担当地区をチームで車輌(バン)、ジプニー(小型の乗り合いバス)または電車で訪問し、上記カリキュラムに基づき、教育・指導を行う。バンには、教育用器材を積載。

●職業技術訓練

目的

路上生活を送っていた青少年(一部、そのような生活を現在もなお続けている青少年を含む)に、政府機関が実施する職業技術訓練を受ける機会を仲介し、また、チャイルドホープが倫理教育など関連授業を実施し、彼ら/彼女らが、レストランやホテル、企業等へ就職し、収入を得られるよう支援する。

対象地

フィリピン・マニラ市マラテ区、エルミタ区

参加者

路上教育を受けた元ストリートチルドレンおよび現ストリートチルドレン20~25名

事業内容

路上教育を受けた青少年(15歳以上)のうち20~25名を対象に、お金の管理、倫理教育、政府機関での職業技術訓練、職場実習を実施する。
企業等への就職の斡旋補助、または自営業開始の補助を行う。
日本の青少年・支援者との交流を促進する(日本からのスタディツアーの実施など)。
(将来的には)所得を得るようになった元ストリートチルドレンが少額を貯蓄し現ストリートチルドレンを支援する体制を作る。

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路上教育と職業技術訓練

路上教育 ~奪われた「子どもの権利」を取り戻すため~

 ストリートチルドレンの多くは、貧困の中で学校へ行く機会もなく、十分な食事も与えられておらず、また親から虐待を受けて親元を飛び出したりと、過酷な経験を経てきています。そして中には、孤独感や空腹感を紛らわせるためシンナーを吸ったりする子どももいます。このように彼ら/彼女らは、本来子どもが経験できる生活を送ることなく、私たちが思う日常からかけ離れた環境の中でトラウマを抱えて路上生活をしています。


 路上教育事業では、こうした子どもたちを対象に、社会福祉士を含む15名の路上教育者がバン(巡回移動車)、ジプニー、電車などを使ってマニラ首都圏を回り、教育およびカウンセリング活動を行います。こうした活動に参加する、とくに親や大人から虐待を受けたストリートチルドレンは、トラウマの治癒を受け回復を図り、健康管理のための保健衛生や、子どもとして与えられている権利や、自分自身をいろいろなリスクから守る方法などについて学びます。


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 ACC21の現地パートナー団体であるチャイルドホープは、1995年の設立以来、路上教育等を通し約10,500人(近年では年間1,000~1,200人)のストリートチルドレンを支援してきました。その長年の実績と経験の上に、今後はACC21が日本のパートナー団体として資金的サポートをするほか、日本の子どもたちとの交流事業や、日本の教育手法や教材の紹介などの企画を進めてまいります。そして子ども同士が国境を超え、文化や生活環境の違いを超えて、相互に学び合う関係づくりを進めてまいります。



職業技術訓練 ~貧困の連鎖を断ち切るため~

 路上教育に参加したストリートチルドレンの中には、戻る家族もなく、また、17~18歳ごろになると受け入れてくれる保護施設も限られ、収入を得て自活していかなくてはなりません。こうした青少年のために、ACC21はチャイルドホープと力を合わせ、職業技術訓練の機会を広げ、企業等への就職の道が開けるよう支援します。


 職業技術訓練事業では、前述の路上教育に参加したストリートチルドレンが対象になります。彼ら/彼女らは、政府の「技術・職業教育訓練センター」(TVET: Technical Vocational Education and Training)で自分が希望するコースの訓練を受け、またチャイルドホープが別に実施するお金の管理、ビジネスマナーやリーダーシップスキル等について学びます。政府の訓練センターでコースを修了し、試験に合格すると、「技術教育・技能開発局」(TESDA: Technical Education and Skills Development Authority)から国家資格II 類認定証を受けることができ、就職の機会が広がります。


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 将来的には、在フィリピン日本企業の協力を得て、技能を習得した元ストリートチルドレンの雇用機会の拡大を図っていく計画です。また、日本の若者との交流も進めていく考えです。さらに、就職に成功した元ストリートチルドレンが、現在、路上で生活するストリートチルドレンと経験を共有し支援する体制を作っていくことをチャイルドホープと話し合っていきます。



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路上教育および職業技術訓練を受けた元ストリートチルドレンの今

〇ギ・アンさん(23才、女性)

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 ギ・アンさんは幼いとき家族とともにマニラ市内で路上生活を送っていました。十分な食事も与えられず、空腹感を紛らわすため、彼女は路上の仲間たちとシンナーを吸うようになっていました。その後、保護されましたが、路上で知り合ったボーイフレンドと生活するため、保護施設を離れました。14 歳のとき、偶然にチャイルドホープの路上教育に接し、参加する中で、路上生活から脱け出す決心をしました。


 ギ・アンさんは、2016 年のチャイルドホープの職業技術訓練に応募して、ホテルやレストランでのサービス業務を政府の訓練センターで学び、その中で、生きる目的意識を持つようになり、サービス業務の技能を磨く一方、お金の管理や貯蓄の大切さについても学びました。コースを修了した彼女は、「技術教育・技能開発局」から国家資格II 類認定証を受けました。現在は、ストリートチャイルドのときに授かった2 人の子どもの将来のために貯蓄していこうと、頑張っています。


〇アルヴィンさん(21 才、男性)

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 アルヴィンさんは幼いとき、貧しい両親に面倒を見てもらえず、路上で物乞いをしていました。小学校へ行くときはいつも空腹の状態。その後、チャイルドホープの路上教育に接し、路上教育者(ストリート・エデュケーター)からその潜在能力を高く評価されました。ただ、彼は10 代で女の子との間に子どもができ、父親としての責務を果たすため、チャイルドホープを離れ、食堂での食器洗いの仕事に就きました。


 その後、チャイルドホープから、職業技術訓練に参加するように再び誘われ、最初は理髪業の訓練を受けましたが、家族の問題が起き、またもや参加が不可能に。そうした状況を知ったチャイルドホープはアルヴィンさんを訓練に戻るように再び説得。その結果、ホテル・レストランサービス業務の訓練を受け、彼は大手飲食チェーン店に応募、見事就職。現在、自分の子どもと家族のためにと、一生懸命に働いています。


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現地で活動する地元のNGOと連携し、効果的な支援を行います。

 私たちACC21は、実績と信頼のある現地NGO(市民団体) と連携し協働することで、きめ細かな支援活動を行ってまいります。さらに、ACC21 のスタッフが定期的に現地訪問を行い、路上教育を受ける子ども、そして職業技術訓練を受ける青少年たちと直接面談し、必要に応じ訓練事業の現場を視察し、事業の進展について確認し、支援の結果を評価してまいります。「持続可能な開発目標(SDGs)」に向けて、誰一人取り残さないために。そしてお預かりする皆さまのご寄付が、最大限生かされるように。


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<フィリピンのパートナー団体>

団体名

Childhope Asia Philippines(チャイルドホープ)

理事長

Dr. J. Z. Galvez Tan (医学博士、公衆衛生学修士)

プレジデント

Mr. Sherwin C. O (CIIT College of Arts and Technology創業者)

事務局長

Dr. Herbert Q. Carpio (医学博士)

職員

31名(うち、教師8名、社会福祉士7名、医療関係者1名含む)

設立年

1995年

沿革

1986年、路上生活する子どもたちの特別保護と状況改善を行うため、国際間の協力と取り組みが必要だと考えた関係者によって、Childhope Internationalが設立された。そして、1989年、ストリートチルドレンをテーマにマニラ市で開催された「アジア地域会議」をきっかけに、アジア地域事務所Childhope Asiaがマニラ市に開設され、その後、当初より準備活動に関わってきたMs.Teresita L. SilvaによってChildhope Asia Philippines(チャイルドホープ・アジア・フィリピン、通称チャイルドホープ)が1995年にマニラ市に設立された。

ビジョン

世界の子ども、とくに路上生活する子どもたちと特別保護を必要とする子どもたちが権利を享受し、尊敬される社会のメンバーになること。
全ての子どもと特別保護を必要とする子どもたちがそのニーズを満たされ、権利が守られ、威厳と自己の価値が認められ、地域社会が子どもたちに敏感で、面倒を見ることができること。
チャイルドホープが、フィリピンとアジアにおいて子どもの権利と保護活動を行う指導的役割を果たすこと。

ミッション

ストリートチルドレン支援に関係する、フィリピンおよびアジア地域の個人、NGO、政府機関の間のネットワーキングと関係を促進する。
フィリピンおよびアジア地域レベルでのアドボカシ―、社会的意識の向上、研究、訓練、技術的な支援、プログラムの支援活動を促進する。
ストリートチルドレンおよび搾取されている子どもに関する情報のデータバンクを管理・維持する。

主な活動

1. 教育
1)路上教育
  -教師と社会福祉士が巡回教育
  -年間1,000~1,200人が対象
2)復学支援のための奨学金
  -小学生、中学・高校生、大学生が対象
  -奨学金は、外部寄付者の支援から
3)職業技術訓練事業
  -路上教育を受け、一定の基準を満たした青少年(15歳以上)が対象
  -政府の職業訓練校に1ヵ月~1ヵ月半派遣
2. 心理社会的アプローチによる指導
  -虐待を受けた子どもが主対象
  -社会福祉士によるトラウマの治癒と生きる力の回復
  -家族復帰への支援
3. リーダーシップ能力養成
  -「子どもの権利」普及活動を行うリーダー(Junior Rights Advocates)の養成
  -音楽祭等イベントの組織化能力
  -スポーツを通した自己開発
4. 保健
  -移動保健クリニック(バンを使っての巡回治療)
  -食事指導
  -衛生についての知識普及・指導
  -他の子どもの応急手当ができるジュニアヘルスワーカー(Junior Health Worker)の養成

団体ホームページ(英語)

https://childhope.org.ph/


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