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コロナ禍のオンライン授業との両立【フィリピンの路上から 】

2021年10月1日 

フィリピンでは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2020年3月から長らく学校の休校が続いていましたが、2020年10月からオンライン授業、印刷教材、テレビやソーシャル・メディアを通じた授業放送などによる「混合学習」プログラムがはじまり、通常よりも4か月遅い"新学期"となりました。しかし、フィリピンでは、多くの、特に貧困家庭の学生たちは自宅にコンピューターやモバイル機器、インターネット回線がないため、様々な問題に直面しています。報道によれば数百万人単位の子どもたちが、教育にアクセスできていないとも言われています。


さらに、2021年度は9月13日から新学期が始まりましたが、依然として公立学校の対面授業は再開されず、さらに教育格差が広がることが懸念されています。

昨年から「路上で暮らす若者の自立支援プロジェクト」に参加したミラケル(18歳)は、当時高校の最終学年で、2020年10月から自宅での勉強が始まりました。オンライン授業と自立支援プロジェクトを両立したミラケルのストーリーをご紹介します。
m2.jpg プロジェクトの仲間と生計技術研修で学ぶミラケルさん(左端)

ミラケルは路上で販売業を営む母親と共に、マニラの路上で暮らしています。5人のきょうだいがおり、うち 2 人はオンラインで勉強しています。母親の収入では、食べ物を買うのがやっとです。

「母が路上販売で稼いでいる収入は、1日たったの 250 ペソ(約550円)。ちょうど、私たちの1日分の食料代です。私たちが勉強するためにモバイル機器を買ったり、インターネット利用料を支払ったりできないことは仕方がありません」

オンライン学習が始まった最初の 1 か月間、ミラケルは、路上にいる仲間の若者たちから携帯電話を借りたり、駅の下でこっそり公共の Wi-Fi に接続して、オンライン授業に参加しました。

「18歳以下の外出が禁止されていたため、私たちは駅の下にこっそり入ってインターネットに接続しました。警察やバランガイの役人が通りかかるとすぐに隠れて、捕まらないようにしました」

多くのフィリピン人学生がオンライン学習で様々な課題を抱えていることは周知の事実です。特に、路上で暮らす子どもや若者(ストリートチルドレン)は、基本的な教育サービスにアクセスできていません。コロナ禍で多くの親が生計を失っているため、日常生活の負担に加えてノートパソコンやタブレット、携帯電話などを購入し、インターネット接続を確保することは簡単なことではありません。

「今、私たちは非常に困難な状況に置かれています。私たちには、モバイル機器も、購入するための資金もありません。政府は私たちを助けることを忘れているようです。勉強をやめたくはありません」

幸いなことに、ミラケルは 9 歳のときからACC21の現地団体・チャイルドホープの支援を受けてきました。チャイルドホープが「路上で暮らす若者の自立支援プロジェクト」の参加者を募集していることを知り、ミラケルはとても喜びました。

「このプロジェクトを修了したら、母を助けるために仕事を見つけることができると思ったのです。ぜひ参加したいと訴え、研修生になることができました」

ミラケルは自立支援プロジェクトとオンライン授業の両立は困難だとわかっていましたが、それでも自分の決断を信じて続けることにしました。自立支援プロジェクトに参加する前にオンライン授業に参加できるよう、毎日早起きをしました。自立支援プロジェクトに参加するためにオンライン授業を欠席することもありました。

「母を助けるという目標のために、努力を続けることができました」

2021年2月、ミラケルは「路上で暮らす若者の自立支援プロジェクト」の飲食サービスコースを修了しました。

「『路上で暮らす若者の自立支援プロジェクト』に参加して、人との付き合い方、他者への敬意、将来の目標への計画の立て方など多くのことを学びました。何よりも役立ったのは、貯金について学べたことです。 『路上で暮らす若者の自立支援プロジェクト』での私の経験は、一緒に学んだ仲間たちのおかげでより楽しいものになりました。研修中にわからないことがあれば、教え合うことができました」

「母が私たちを育てるために苦労してきたのを知っているので、これからは母を助けたいと思います」

ミラケルは、コロナが収束すればパートタイムの仕事を見つけられると前向きに考えています。パートタイムの仕事をしながら勉強を続け、ゆくゆくは大学を卒業して良い仕事を見つけて、貧しい家族を十分に養っていきたいと考えています。

(報告:事業担当 辻本紀子)


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