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ニアス島からヤッホウー! 日本で学んだ農業技術を現場で実践 【インドネシア】

■2015年10月11日
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農作業は夫婦単位で行うが、田植え、収獲は村内で助け合う

 ACC21が事務局をつとめる公益信託アジア・コミュニティ・トラスト(ACT)の特別基金「アジア留学生等支援基金」では、「アジア留学生インターン受入れ助成プログラム」のほかに、日本の研修機関や大学で学んだ技術や知識を母国で実践する活動にも支援しており、今年度はインドネシア、フィリピンの事業2件に助成しています。

 2015年9月に訪問したインドネシアの事業現場からの報告です。


 スマトラ島の南部で9月上旬に発生した森林火災が北部へと延焼している影響で、北部のメダンからの飛行機のスケジュールが変更され、1日遅れでニアスに到着。ニアス語のあいさつ「Ya'ahowu!」(ヤッホウ)で温かく迎え入れられました。



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SRIを始めた農家の皆さん。家から畑まで7㎞も離れているので、畑のそばに小屋を建て、1日の大半を過ごす。左端はホリアナア財団ディレクターのハッピーさん

 栃木県のアジア学院を卒業したソ二マンさんは、現地NGO「ホリアナア財団」の農業研修センター長として、ACTからの支援で女性農民の有機農業研修を昨年から担当しています。昨年は野菜栽培、今年は『SRI』(集約的稲作法)をテーマに研修を行っています。SRIは一束の苗を等間隔に植え、少量の水で済み、かつ収量を上げられる革新的な稲作法で、マダガスカル島で始まり、現在では世界各地で実践されていますが、"苗の本数は多めに、隙間を埋めて植えるほうがたくさん収獲できる!"と信じている農家がいまだに多いそうです。

 初めてSRIを導入した畑をいくつか見させてもらいました。もっか農家の頭を悩ませているのはタニシの大量発生。「タニシは乾季は土壌深くに潜り、水があると地表に出てくるので、畑の外枠に溝を掘って水をそこにとどめ、一段上の内側に苗を植えることにより、水がかぶらないようにする方法を考案しました。今度は日本で学んだ「合鴨農法」を使ってタニシを撃退したいです」とソ二マンさん。


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昨年の研修に参加した女性たちから、過去3ヶ月の野菜栽培について聴き取るソニマンさん(中央)

 次の日。昨年度(2014年度)の農業研修に参加した、下は30代前半から上は67歳まで、2村の女性約20人が集まり、評価会合を開催しました。キリスト教徒が多いだけあり、日曜礼拝帰りで、きれいに着飾った女性もいました。

 会合では、女性たちが直近3ヶ月間(15年7~9月)に行った農業の概要(農産物名、生産高、売上高など)と販売等で得た収入額、支出額とその内容、近所の人たちに与えた影響などについて、フォームに記入していきます。読み書きができない女性には、スタッフが補助して回答欄を埋めていました。

 ざっと見たところ、マスタードの葉、トウモロコシ、唐辛子、ナスなどを栽培し、1世帯あたり平均で月30~45万ルピア (2,700円~4,050円)の追加収入がありました。ニアスでは、4人家族を養うためには少なくとも月350万ルピア(約3万1,500円)必要ですが、住民の多くが依存しているゴム栽培だけでは、その3分の1ほどの収入しかありません。ですから、農業を新しく始めたことで得た収入は非常に助かっているそうです。

 日本で学んだことを、現地の環境に合った形にして着実に実践しているソニマンさん、がんばってください!


■報告:鈴木真里(ACC21事務局長/ACTチーフ・プログラム・オフィサー)