ASIA NOW ―アジアの現場から

インドネシアと日本の次世代リーダーの育成【インドネシア】

2017年5月30日 

新興国として経済成長が急激に進み、日本との関係も深いインドネシア。貧困や環境破壊への対応、教育・福祉の充実などソフト面での改革も急務となっています。インドネシアでは社会問題の解決に取り組み、新しい国づくりに貢献したいと考える優秀な若者や起業家が増えてきています。しかし、日本ではイスラム教への理解が十分ではなく、テロと結びつけて考えてしまうなど、マイナスのイメージをもつ人も少なくありません。

そこで、ACC21が事務局をつとめる公益信託アジア・コミュニティ・トラスト(ACT)を通じて、異なる文化や価値観を理解・共有し、広い視野と"わかちあい"の精神をもって社会に貢献できる両国の次世代リーダーの育成に取り組む活動を支援しました(実施年度:2015年、実施団体:(特活)アントレプレナーシップ開発センター)。


■日本人学生5人がインドネシアを訪れ、研修

2015年8月28日~9月13日には、日本の若者がインドネシアの社会についての理解を深めるため、インドネシア研修が開催され、日本人大学生5人が参加しました。

初めに、首都ジャカルタで、現地パートナー団体「Gerakan Mari Berbagi(GMB)財団」の創設者によるオリエンテーションが行われ、GMBインドネシアチームの学生による社会事業の発表、聴覚障害をもつ子どもたちの学習支援事業、ストリート・チルドレンの学習支援団体が主宰するキャンプイベントなどを訪問しました。その後、貧富の格差を理解するため、高級百貨店とスラム街を見学しました。

古都ジョグジャカルタでは、現地家庭にホームステイをしながら、英語教育、子どもの教育、居住環境の整備、障がい孤児の福祉、人権問題などに取り組むNGOで、約1週間のインターンシップを体験しました。5人はそれぞれ、子どもたちにアートや英語を教えたり、現地のボランティアと共に汗を流しながら、専門家からレクチャーを受けました。最終日には受け入れてくれたNGOの関係者の前で各自がこれまで取り組んできた社会事業について発表し、意見やアドバイスなどを受けました。

"インドネシアの京大"ともいわれるガジャマダ大学では、ごみ問題をテーマに現地学生とワークショップを行い、日本人研修生は日本でのごみの量の削減への取り組み事例を紹介しました。

ガジャマダ大学の学生とのワークショップでは、ごみ問題を解決するための持続可能なビジネスモデルについて考えました

参加した日本人学生のひとりは、「ごみ問題について考えるワークショップでは、多くの社会問題に対して高い意識をもつ現地学生が参加していました。現地の学生と一緒に、持続可能な新しいビジネスプランを考え、意見交換を行うことで、身近な社会問題に目を向け、新しい視点から課題を解決するイノベーションの大切さを学ぶ良い機会になりました」と感想を寄せました。

■インドネシアの若者500人の中から選ばれた6人が来日

約半年後の2016年3月23日~4月18日には、約500人の応募者の中から選ばれたインドネシアの若者6人が来日し、NGOや企業などでの研修、ホームステイ、若者交流活動に参加しました。期間中に行われたワークショップでは、2015年8月にインドネシアを訪れた日本人学生5人が司会進行を行う、両国の若者たちが研修を通じて得た経験を紹介しあい、友好を深めました。このほかにも、批判的思考、デザイン施行の講義や実践ワークショップが行われ、相手の本当のニーズを知り、かたちにする訓練を受け、最後にはリーダーに必要な資質について考えました。

2016年3月に来日したインドネシアの若者6人と共に

<報告:鈴木 真里(ACC21事務局長、ACTチーフ・プログラム・オフィサー)>