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大和証券グループ本社関係者がスリランカの津波復興支援事業地を訪問
(ACT「大和証券グループ津波復興基金」10年プログラム)

2017年4月12日 

 ACC21(公益信託アジア・コミュニティ・トラスト事務局)は、ACT特別基金「大和証券グループ津波復興基金」設定者である大和証券グループ本社の関係者に同行し、10年間支援したスリランカの事業地を訪問しました。
 同社は、2004年末のスマトラ島沖地震・インド洋津波発生直後に特別基金「大和証券グループ津波復興基金」を設定し、以後2014年度末までの10年間、ACTに計1億円を寄付し、インドネシア、インド、スリランカの3ヵ国で計7事業に助成しました。
 2月上旬に、金子常務執行役(当時)の金子氏、横山広報部担当部長兼CSR課長が、『津波の女性被害者の自立と開発プログラム』の実施地である南部州ゴール県と実施団体KSWの本拠地(北西部州プッタラム県)を訪問されました。
 同事業では南部州、北部州、北西部州の被災地で女性組織設立支援、ビジネス開発、マイクロファイナンスを行い(計2,775.8万円を助成)、10年間で計74の女性組織が設立され、1,530世帯(扶養者数5,642人)が裨益しました。

 訪問した南部州ゴール県では3つの女性組織、北西部州プッタラム(実施団体ウィルポタ女性運動の本拠地)では北部州ムラティブ県の6女性組織のリーダーら約80人と対話しました。



Betal(キンマ)の葉を渡してテルワッタ女性組織のリーダーに迎え入れられた


テルワッタ女性組織のリーダーから帳簿の説明をうける



 組織の平均預金残高は合計で30~50万円で、各組織で管理する基金からメンバーへの融資や社会福祉サービスを提供しています。女性リーダーたちは組織の設立経緯や生計向上活動がどのように役立っているかなど、丁寧に説明してくれました。津波で子ども5人全員を亡くした南部の女性リーダーは「身に着けていた服以外、すべてを失くしました。でも今日、私は皆さんに"私たちは自立した"と誇りをもって言えます。とてもうれしいです。」と、喜びを語ってくれました。



ココナツの繊維からつくるコヤ・ロープづくりを体験する金子氏


南部州ゴール県海岸沿いの3つの女性リーダーたちと



 10年間復興支援プログラムが続けられたことについて、「他のNGOやマイクロファイナンス機関はここに長くとどまってくれませんでした。どうやって生計をたてるか、収入を得るかを教えてくれたのはメニケさん(ウィルポタ女性運動)だけでした。」と、その独自性と特長を評価した人もいました。

 女性たちの話に熱心に耳を傾けた金子氏は「今回、初めてスリランカを訪問しましたが、島国であること、大規模な津波災害を経験したことなど、日本と共通するものを感じました。」と感想を述べられました。

 「これほどひどい経験をしながら、コミュニティを維持し、他人を信用できるのはなぜですか?」という横山氏の問いに対し、北部の女性たちは「タミル人の文化、慣習もあると思います。どんなときも笑い、微笑みあう、共生。何もないところに、メニケさんたちが来て、やり方を教えてくれ、ここまできました。そのプロセスで、互いを信頼することの大切さを学んだように思います。」と答えてくれました。
 26年間続いた内戦と津波の二重苦を経験した後に初めて訪れた平穏の中で、生活を必死に立て直しながら、人間どうしの信頼関係を徐々に取り戻してきた様子がうかがえました。




繁栄をあらわすニワトリの像を掲げたロウソク台に一人ずつ光を灯す。「成功、知識、繁栄がすべての人々の生活に届くように」との願いが込められている


バスで6時間かけて北部から駆けつけてくれた。1983年から29年続いた内戦の最中に津波に被災した


【10年間の活動報告書】
詳細:
http://act-trust.org/news/act-2.html
(報告書画像をクリックするとPDFをご覧になれます)








<報告:鈴木真里(ACC21事務局長、ACTチーフ・プログラム・オフィサー)>