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漁業復興のお手伝い 【東北ボランティア#2012 S5】

■2012年10月31日

2012年度の派遣第7回として、2012年9月15日~18日、5人の留学生(スリランカ2人、中国1人、台湾1人、ベトナム1人)が、宮城県石巻市の狐崎漁港で漁業の復興支援(協力:(特活)JEN)ボランティアを行いました。
参加者のレポートはこちらをご覧ください。


■本場のカレーを提供

留学生たちは、15日(土)の朝に東京を出発し、夕方に現地に到着しました。その後、翌日に狐崎漁港の方々に食べていただこうと、ボランティア宿泊所「JEN渡波ハウス」で昼食の準備をしました。
シャンディマさんは、母国スリランカのスパイスを4種類使って、スリランカ・カレーを作ってくれました。個人でボランティアに参加し同じ宿泊所に滞在されていた方々も交え、つくったカレーの試食を兼ねて夕食を一緒にしました。スパイシーなカレーを頬張った留学生たちは皆、汗をかきながらもその絶妙な味に満足げな様子を浮かべていました。また、留学生たちは、個人でボランティアに訪れていた方々と社会貢献活動やそれぞれの国の政治・経済事情など多岐にわたるテーマについて意見を交わしていました。

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(写真左上) シャンディマさん(スリランカ)が持参した本場スリランカのスパイス
(写真左下) チキンカレーの調理過程
(写真右下) カレーを食卓に並べるシャンディマさん
(写真左)  個人ボランティアの方々と食事


そして翌日の昼食で、狐崎漁港の方々はカレーの辛さに驚きつつ「美味しい、美味しい」と汗をかきながらカレーの味を堪能されていました。

■定置網漁に使用する捕獲網の修復作業のお手伝い
16日と17日の2日間は、定置網漁に使用する網と網をつなぎ合わせたり、糸通しを使って穴の空いた網を繕うなどの修復作業を手伝いました。一見単純作業にみえますが、網目を見極めてきれいに網同士を合わせるなど、繊細な作業です。留学生たちは漁港の皆さんに丁寧に編み方を教えてもらい、自分たちが修復している網がいつか魚を捕える時を想像しながら、黙々と作業を進めていました。
休憩時、スリランカ出身のエランダさんが「何故、ここには若い人が少ないのか?」と、漁師さんに質問したところ、「震災後、若い漁師が2人ほど辞めてしまった。若い人達にも魅力的な新しい漁業の形を自分たちが作っていかなければならない」と漁師さんは答えました。エランダさんは「日本のローカルな地域の多くが抱える若者流出の問題などについて考える、良いきっかけになりました」と言っていました。

■狐崎漁港の皆さんとの交流
ボランティア活動最終日に、狐崎漁港沖でとれた養殖牡蛎(かき)を漁港の皆さんからいただいた後、帰り支度をしていたとき、狐先漁港のおばあさんと台湾出身のロリーさんは「また絶対来てね」、「はい、絶対にみなさんにまた会いに来ます」と別れの挨拶を笑顔で交わしていました。
 「被災地の皆さんのために何かしたい」という思いで集まった留学生たちでしたが、自分たちにできることよりも、与えていただいたことの方が多かったと感じていました。現在のボランティアの形は単純に肉体的な作業を行うのではなく、コミュニケーションを図りながら「絆」を深めていくものなのかもしれません。

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(写真左上)   捕獲網の修復作業を教えてもらうフーンさん(ベトナム)
(写真左下)  「狐崎復興漁業部」の建物の中で、お昼の準備を待つエランダさん(スリランカ)とリューさん(中国)
(写真右上)   狐崎漁港の方々が網の上で牡蛎を焼いている様子
(写真右下)   おばあさんと別れの挨拶をするロリーさん(台湾)
(写真中央)   狐崎漁港の方々とJENスタッフの方との集合写真

(文中の留学生の名前はすべてニックネーム)

<報告:坂下裕基>