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2015年6月15日  

次世代を担うアジアの社会起業家へ
第2次アジアNGOリーダー塾
アジア域内のNGOでのインターンシップ 報告会 開催報告



日時:2015年4月19日(日)14:00~17:00
場所:アジア文化会館地下1階 101教室

 2014年度に第2次5年計画として開始した「第2次アジアNGOリーダー塾」では、課題別ゼミナールとアジアのNGOでの体験学習(インターンシップ)を中心にプログラムを刷新しました。4月19日に開催した報告会には約20人が参加し、2014年度の塾生たちが、インターンシップでの経験やアジアNGOリーダー塾での学び、将来の計画と抱負について発表しました。

―塾生による報告―


<発表者と派遣先、関心事>    発表者名をクリックすると、該当箇所にジャンプします。

  • (1)ハン・チェソン(大学生)派遣先: フィリピン
    関心事:農村および都市の子ども支援活動、心のケア、被災地の子ども支援
  • (2)倉島賢一(大学生)派遣先: フィリピン
    関心事:子どもの教育支援、生計向上(マイクロファイナンス)
  • (3)蒲原裕朗 派遣先:カンボジア
    関心事:貧困状態にある子ども、子どもの権利とその確保のための支援活動
  • (4)西田理紗(大学生) 派遣先:フィリピン
    関心事:有機農業の実践と技術研修、農村開発(旧(学校法人) アジア学院フィリピン農場)
  • (5)西田直人 派遣先:フィリピン
    関心事:マイクロファイナンス、貧困世帯への経済的支援活動

(1)ハン・チェソン (大学生)
4.19 361_150x225.jpg 【期間】(移動日含む)2015年2月3日~3月11日(37日間)
【関心をもつ活動・分野】農村および都市の子ども支援活動、心のケア、被災地の子ども支援
インターン受入れ団体①
【団体名】Western Samar Development Foundation, Inc.(WESADEF:西サマール開発財団)
【活動地】フィリピン共和国西サマール州
【団体の活動内容】女性と子ども、農村開発支援を実施

受入れ団体②
【団体名】Childhope Asia Philippines, Inc. (チャイルドホープ・アジア・フィリピン)
【活動地】フィリピン共和国マニラ首都圏
【団体の活動内容】路上生活を強いられる子どもと青少年の支援

<発表要旨>
IMG_4488_document_web.jpgのサムネール画像のサムネール画像私は、子どもの支援活動に関心を持ち、子どもを取り巻く現実、家庭環境について学ぶことを目的に、サマール島の西サマール開発財団(WESADEF)とマニラのチャイルドホープ・アジア・フィリピンの2団体でインターンとして参加しました。

現地へ行くまでは、自然災害が頻繁に起きているサマール島の方が状況は悪いだろうと考えていましたが、訪問してみるとサマール島は我々の田舎のような雰囲気で、むしろマニラの方が貧困の格差やホームレスの多さなど、問題が山積みだと感じました。子どもの雰囲気も少し異なり、サマール島の子どもたちは外国人である私にもすぐ心を開いてくれましたが、マニラの子どもたちは親しくなるまでに時間がかかりました。

今後は、ハングル語でブログを運営し、韓国の若者たちに東南アジアの現状を伝える活動を行いたいと思います。そして将来は、途上国の発展に繋がる仕事に就き、社会に出てからも人の心を癒す活動をしたいと考えています。

(2)倉島賢一 (大学生)
4.19 378_155x230.jpg 【期間】(移動日含む)2015年2月12日~3月22日(39日間)
【関心をもつ活動・分野】子どもの教育支援、生計向上(マイクロファイナンス)
インターン受入れ団体①
【団体名】Konkokyo Peace Activity Center Information Office, Inc.(KPACIO)
【活動地】フィリピン共和国マニラ首都圏
【団体の活動内容】都市貧困層の子どもの教育支援

受入れ団体②
【団体名】Tulay sa Pag-Unlad, Inc.(TSPI)
【実施地】フィリピン共和国マニラ首都圏
【団体の活動内容】小規模融資、起業家育成支援

<発表要旨>
kpacio.png私は、子どもの教育、とくに幼児教育とマイクロファイナンスに関心があり、デイケアセンターを運営し、地域開発を行う「KPACIO」という団体を中心に活動し、マイクロファイナンス事業を実施している「TSPI」のほか活動地が近かったハン・チェソンさんのインターンシップ先「チャイルドホープ」なども訪問しました。

KPACIOでは、低所得者の漁民が多いナボタス市で、貧困家庭の母親を対象としたマイクロファイナンス実施前調査に参加し、子どもの教育に関する保護者の意識や家計の状況についてインタビューしました。

TSPIでは、顧客訪問、センター・ミーティング(マイクロファイナンスの顧客を集めた定期会合)などに参加し、スタッフが顧客に細かい質問を投げかけ、状況を把握し、アドバイスをする活動を見学しました。受益者たちの暮らしは想像していたよりも良く、驚きました。

「チャイルドホープ」では、教育を受けられない、親がいない、住むところがないという環境にいる子どもたちに出会い、衝撃を受けました。盗みを犯した19歳の少年が逮捕され、何者かの手によって殺害されたことを聞き、このようなことが起こるフィリピンの社会の現実を知り、許せないと感じました。私はこのインターンシップを通じて、自分の救いたい人たちはチャイルドホープで出会ったような最貧困の子どもたちだ、と感じました。

今後は、仲間と起業して、大学で関わっているフィリピンのレイテ島のデイケアセンター事業の運営に挑戦する予定です。また、今回のインターンシップで得た経験や知識を友人や所属団体の仲間と共有し、フィリピンのことを知ってもらいたいと考えています。1人から広がる波紋が後に大きくなっていくことを信じ、今後は仲間作りに励みたいと思います。


(3)蒲原裕朗
4.19 389_150x172.jpg 【期間】(移動日含む)2015年2月19日~3月20日(30日間)
【関心をもつ分野・活動】貧困状態にある子ども、子どもの権利とその確保のための支援活動
【受入れ団体名】Street Children Assistance and Development Programme (SCADP:路上の子どもの支援と開発プログラム)
【実施地】カンボジア王国プノンペン特別市、プレアビヒア州
【団体の活動内容】路上生活の子ども支援、孤児院の運営、寺子屋教室活動など




027_document_kamohara.jpg<発表要旨>
私は貧困状態にある子どもの現状を学ぶために、カンボジアの首都プノンペンと農村部のプレアビヒア州で、インターンシップを行いました。

SCADPは1992年設立され、教育支援事業(寺子屋など)と生活支援・文化保護事業(ストリート・チルドレン等の保護など)を行っています。

私は、プノンペンとプレアビヒアにあるSCADPの児童保護施設に滞在して子どもたちと交流して話を聴いたほか、寺子屋教室の授業を見学し、まだ活動していない遠隔地域での現地調査に同行しました。地方、とくに遠隔地では公立校に子どもたちが通学できないということが課題となっていました。011_document_kamohara.jpg目を輝かせて授業を受ける子どもたちと接し、教育を受ける事の重要性を改めて感じました。

私は、写真に関わる仕事をしており、「伝える」ということに関わっていきたいと思います。海外の人々に現状を伝えるということも大切ですが、その国の中で写真展をやり、国内で何が起こっているかをその国の人が知り、考える機会も作りたいと考えています。現状を「伝える」ことで、厳しい状況にある人々を支援する状況を変えていくことができると考えています。


(4)西田理紗 (大学生)
4.19 416_150x228.jpg 【期間】(移動日含む)2015年2月16日~3月11日(24日間)
【関心をもつ分野・活動】有機農業、農業の振興、農村開発。実際に現地で農作業を体験する。

受入れ団体①
【団体名】Center for Agrarian Reform & Rural Development (CARRD:農地改革・農村開発センター)
【活動地】フィリピン共和国マニラ首都圏、イロイロ州(パッシ市)
【団体の活動内容】農地改革推進、有機農業の普及、起業育成

受入れ団体②
【団体名】Mother Consuelo Farm -Asian Rural Institute (MC-ARI)
【実施地】フィリピン共和国西ネグロス州バゴ市
【団体の活動内容】有機農業の実践と技術研修、農村開発(旧(学校法人) アジア学院フィリピン農場)

<発表要旨>
IMG_3046_R_document.jpg私は農業をテーマに、フィリピンの2団体でインターンシップを行いました。まず、ネグロス島の農場「MC-ARI」で、野菜の水やり、ボカシ肥作りなどの農作業を体験しました。その後、CARRDが有機米事業を行っているイロイロ島パッシ市に行き、有機肥料普及トレーニングの補佐や農民への聴き取り調査などを行いました。CARRDと現地の農民グループは、米の有機認証の獲得を目指しており、従来型の農業から有機農業への移行に向けて仲間の農民が検査官として農家を訪問し、栽培計画などを記録し、必要に応じて助言するなど、農家を技術面からサポートしています。農家訪問に同行しましたが、中間山地に散らばる農家を一軒一軒歩いて訪問するので、根気のいる仕事だと感じました。

アジアNGOリーダー塾での半年間を振り返ると、様々な学びがありました。課題別ゼミナールでは、NGOの存在意義を考えさせられました。インターンシップを通じては、有機農業の普及について話すことは簡単ですが、人の行動を変えることは想像以上に難しいことが分かりました。また、私自身、農業・農村開発分野のプロフェッショナルになりたいという目標が明確になりました。


(5)西田直人
4.19 429_150x227.jpg 【期間】(移動日含む)2015年2月15日~3月20日(34日間)
【関心を持つ分野・活動】マイクロファイナンス、貧困世帯への経済的支援活動
【団体名】CARD Business Development Service Foundation, Inc. (CARD BDSFI :CARDビジネス開発支援財団)
【実施地】フィリピン共和国ラグナ州サンパブロ市
【団体の活動内容】マイクロファイナンス機関CARD(農業・農村開発センター)グループの女性顧客による製品の開発、マーケティング支援





<発表要旨>DSC09108_document.jpg
私は、金融業での技術支援と社会貢献について関心があり、今回、フィリピン最大のマイクロファイナンス機関「CARD」でインターンシップをしました。

CARDは経済的最下層からひとつ上の人々に無担保で融資やその他の金融サービスを提供しています。現在、フィリピン全国に約1,500の支店を展開し、資産総額140億ペソ(約 382億円)、顧客数200万人、返済率99%を誇っています。CARD-MRIというグループ機関(現在14機関)のうち、私は「CARD-BDSFI」という中小企業支援部門で活動しました。

まず、私は顧客の会合等に参加して、CARDの全体像を学びました。CARDではマイクロファイナンスをベースに多角的に事業を展開しており、大きな学びとなりました。

nn.jpg中小企業を営む顧客の女性たちには、それぞれ商品があります。それらをまとめ、市場開拓するため、CARDでは「Mga Likha ni Inay」というブランドを立ち上げていますが、統一感がなく、自分の専門のデザインを活かして、ブランディングやウェブサイトの作成などをやってみました。例えば、CARDの顧客は女性であり、女性のためのブランドということが分かるように、女性のモチーフを使ったロゴを作って提案しました。

マイクロファイナンスの可能性を実際に見ることができ、今後はこの経験を活かしていきたいと思います。

また、NGOは一般的に発信力の弱さを指摘されますので、NGOの活動を紹介するサイト「アジアNGOネットワーク・チャネル」の立ち上げを構想しています。まずはひとりで始め、やりながら仲間を作り、多国籍の方も巻き込み、発展させていければと考えています。


4.19 436_web1.JPG最後に、リーダー塾の運営委員からコメントと激励の言葉が贈られました。
  • 自分の問題意識を明確に持ち、深めていってもらいたい。初心を忘れずに頑張ってほしい。
  • 森を見てから木を見るという姿勢が必要だろう。国の概要と分野について、もう少し勉強していただきたい。
  • 1年足らずの中でよくここまで学ばれたと思う。これからはこの学びを生かし、行動に移していってほしい。

以上
◆アジアNGOリーダー塾とは◆
http://acc21.org/action/anli.html

◆2015年度の塾生募集中(締切7/3)◆
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