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2017年8月24日  

「アジア社会起業家育成塾」始まる!
2017 年度開講式、運営委員・塾生・塾生間の意見交換会


2017年8月5日、2017年度「アジア社会起業家育成塾」が開講しました。


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開講式冒頭、伊藤運営委員代表より入塾にあたっての祝辞が述べられました。蓮如と一休の600年前の書状のやり取りを引用して、人は"食っては寝て"、そして"ああしてこうして"の繰り返しである。塾生の皆さんは、これまで会社という大組織の歯車の一つとして、その枠組みの中で"ああしてこうして"の生活だったと思うが、社会的事業を起業するにあたっては、国境を超えた社会という大空間の中で、"ああしてこうして"を繰り広げることになるだろう。"ああしてこうして"を進めるには、問題意識をしっかり持つことが大切である。自分自身は40年前にフィリピンで基本的人権を奪われたストリートチルドレンとの出会いが問題意識の原点となっている、と述べ、続けて来年3月まで塾生が自分の問題意識を追求し実現するのを「塾」は補佐する役割を果たしたいと話しました。


細川運営委員は、この塾を皆さんが発見してくれたのは何かのご縁であること、塾生の前には無限の世界が広がっている、超一流の講師陣からカスタムメイドの講義を受けることができる、莫大な〝借金゛を負ったつもりで、何倍にもして返すつもりで本気で学んでほしいと激励しました。



続いて、塾生はそれぞれの問題意識とこれまでの取り組みなどを互いに共有しました。



Aさん: グローバルな環境下でコンサルタントをしており、自信の出身地の人々の「工夫すれば何とかできる」という思いを大切にしながら、新しい仕組みを作りアジアにコミットメントしていきたい。

Oさん: フィリピンで見たストリートチルドレンが衝撃で途上国に関心を持つようになり、フィリピン留学や現地でビジネスを立ち上げた経験がある。大学卒業後はすぐに起業し、貧困層の人たちが起業できるような仕組みを作りたい。

Mさん: プログラミングの技術を生かして人のために生きたい、は問題意識をより明確にして自分の技術をどこまで具体化できるか考えていきたい。

Aさん: 自分の利益だけでなく、社会への還元方法を学びたい。

Hさん: 適切な医療や保健サービスを受けられない人々、貧困問題など、さまざまな問題に関連している「教育」の分野に貢献していきたい。

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互いの人生における経験や思いを聞き、塾生からは、現状を何とかしたいと思う熱いパッションが伝わってきた、との声や、それぞれが持つスキルに対して憧れるなどの声が上がりました。また、なぜアジアを選んだのか、どういう風にアイディアを出して起業してきたのか、何をきっかけに社会企業家を目指そうと思ったのかなど活発なやり取りの中で、それぞれの思いを共有しました。


これらのやり取りを受け、細川運営委員は、五人五様の問題意識があり、エネルギーレベルが非常に高い。今後いろんな人から様々な話を聞くとそれらを処理しきれなくなってしまう可能性もあると指摘し、「非営利モデル」と「ソーシャルビジネスモデル」、「社会性」と「事業性」という基軸となる"GPS"をもち、現時点で自分がどのタイプか、どこに偏
りがあるかを分析し、要所要所でこの"GPS"に照らし合わせて今後意識していくべきとこ
ろを個別丁寧に指導しました。



修了生との経験の共有

 2015年度(第7期)修了生の2名に経験を共有していただきました。


 1名は、塾のインターンシップ・プログラムで、女性の家事労働者、人身売買問題に取り組むフィリピンのNGO「Visayan Forum」とNGOネットワーク「CODE-NGO」で活動した経験から学んだことを共有しました。CODE-NGOではとくにNGOと政府の関係性について関心を持ち、フィリピンのNGOとフィリピン政府が行う支援は、表面的には一緒かもしれないが、方向性は違うということを感じており、どのようにしたら政府とNGOが同じ方向を向いていけるのかを考えていると話しました。


 続いて、RINDA Foundationを設立した修了生の経験を発表していただきました。


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 東日本大震災が起こり、当時滞在していた海外で出産後間もない息子と2人現地に残らなければならなくなり、多くの人に助けられた経験から「恩返しネットワーク」を設立。その後、除菌スプレーの「まましゅっしゅ」を開発しました。自分の活動のキーワードとなる軸を持ち続けると、「普通の人」でも一見難しそうなことも成し遂げられる、自分ができることを積み重ねていくと同じような疑問を持つ人が日本だけでなく海外でも自然と集まる、そう話す修了生の話に、塾生は驚きを隠せない様子でした。生まれる場所は選べないし、環境を"equal"にすることは難しいが、「生きやすさ」の"equal"は作れるのではないか、それを目指し社会資源を好循環させるべく、「お金のある所からお金を取って」事業運営に充てることを基本としたといいます。今後は、RINDA Foundationのキャラクター〝RIN&Darling゛を使った資金集めのための物品販売や、独自の認証制度を確立させることなどの目標を語りました。