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2015年6月11日  

第2次アジアNGOリーダー塾2014年度
スタートアップ支援奨励金受給者 報告会<2015年4月26日>
開催報告


(特活)アジア・コミュニティ・センター21と(一財)MRAハウスが共催で実施している「アジアNGOリーダー塾」では、2014年度、同塾修了生を対象に、アジア地域の人々と共に公共活動を行うNGO(市民組織)もしくは社会的企業(事業)の立ち上げを計画する者を募集し、その立ち上げ資金として3名に奨励金を支給しました。その3名による活動報告が行われ、活動内容に興味のある一般参加者も含めた約20名と共に、それぞれが挑むNGO事業や社会的企業の立ち上げについて報告を行いました。

―奨励金受給者による成果発表―



事業名:「『最後の遊牧』プロジェクト」(内モンゴル・ホルチン砂漠の緑化活動)
  (呉 雪峰(ムルン)(5期生))

014_180x270.jpg  ムルンさんは、自身の出身国である内モンゴルの砂漠化を食い止めようと、緑化活動と遊牧文化の復興を組み合わせた活動を行う団体の設立を目指しています。そして今回の奨励金を利用し、砂漠緑化活動を行う日本の団体の代表、内モンゴル大学の学生と共に、中国内モンゴル北毛都村の砂漠化の状況把握と緑化対象地域の選定に係る報告を行いました。村長や村人へのインタビューを通じ、農地開発による遊牧文化の消失と政策の誤りが砂漠化の要因であることを学び、今後3年を目途に地域住民との信頼構築、村(行政)との共同関係の構築、そして資金調達に挑みたいと計画が述べられました。

 参加者からは、緑化活動に利用する植物の選定理由や、砂漠特有の課題などに追加の質問がありました。また、緑化活動を行う他団体との連携や、行政、村人との協力体制に関する指摘に対しては、他団体が行う中国政府との関係構築方法を学んだり、一時的な支援にならないよう、村人たちとの信頼関係を前提に、彼らの自立を促進させ、"緑化→牧畜の復興→砂漠化阻止"が循環する仕組みを目指したいと話がありました。


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事業名「パルケ・エスペランサ(マニラ旧市街地での都市公園を活用した持続可能な都市コミュニティづくり支援)
     角間 裕(5期生)

015_200x300.jpg  角間さんは都市計画に関する仕事に携わる経験と、JICAボランティアとしてドミニカ共和国で活動してきた経験を背景に、都市公園などのオープンスペースの整備、活用、維持管理などを住民と協働して行うことで、地域コミュニティの育成・強化を通じて途上国都市部の持続的発展に寄与する活動を、このアジアNGOリーダー塾を通して当初より計画してきました。今回はカウンターパートとなりうる団体や候補地を訪問することに奨励金を利用しました。現在は、訪問先となったイントラムロス行政区(城壁都市)が折から公園整備を計画している段階で、この計画の中にコミュニティ参加型の公園造成事業の提案を行う準備中であると報告がありました。

 参加者の中にはフィリピンの事情に詳しい人もおり、なぜイントラムロスを選んだのか、バランガイ(日本で言う町内会のようなもの)との連携はどう考えているかなどの質問がありました。また伊藤および堀内運営委員からは、太平洋戦争中、戦場となり日本軍が立てこもったイントラムロスとの関係は深く、単なるNGO活動ではなく、日本の地域行政やODAと結びつける関係に発展させて、日比友好につながる活動にしてほしいとの希望が寄せられました。



旧市街責任者との集合写真_327x245.jpg公園整備候補地2_326x245.jpg


事業名「貧困削減効果を最大化するマイクロファイナンス3.0~途上国市場と企業を繋ぐBOPビジネス推進プラットフォーム~」 (ミャンマー)
 (黒柳 英哲 (2期生))

029_200x300.jpg  フリーランスとして複数のNGOの活動に従事してきた黒柳さん。アジアでのビジネス支援やファンドレイジング、企業連携など様々な分野で活躍する経験を生かし、マイクロファイナンスとBPOビジネスを融合させ、ITと情報を活用した新しい貧困削減ビジネスモデルを発表しました。今回は、3週間にわたる現地調査の一部に奨励金を利用しました。また、この4月には本事業を担う"リンクルージョン株式会社"を立ち上げ、7月にはミャンマーに拠点を移して本格的に事業を展開していくと報告がありました。
具体的には、ITシステムでマイクロファイナンス機関の経営を支援すると同時に、低所得者層の生活行動情報をデータベース化して、それをBOPビジネスの事業開発に生かすという仕組みであり、参加者からは同業他社の存在や情報保護に関する対応策について質問がありました。日本でもビックデータの活用が議論されているところでもあり、黒柳さんからは、1つでも多くのマイクロファイナンス機関の経営管理や業務効率化に役立つシステムを構築し、一方でそれがBOPビジネスに生かされるようその間を取り持つのが自分の仕事であると意気込みが述べられました。



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<運営委員コメント>
 伊藤運営委員からは、多くの塾生が仕事を持ちながら9カ月間にも及ぶ研修に参加し、仲間とともに議論し互いに学び合ってきたその努力に敬意が表され、現段階では完璧な計画でなくとも、やりたいと考えた事業と目標にこだわり、しぶとくこれからも努力を続けていってほしい、そうすれば、必ずや達成できるだろうとのエールが送られました。
 続いて、2014年度の第2次5か年計画「アジアNGOリーダー塾」構想の骨子が発表されました。これまでのリーダー塾とは形を変え、大きく2つの要素(事業)から構成されます。まずは、20代の若者が長期にわたりアジアの中核的NGOに派遣され、リーダーの下でインターン経験を積む事業。第2に、具体的行動を起こそうとする元リーダー塾塾生らを中心としたグループを形成し、自らの共同学習を進めるのを支援し、そしてその中から1~2人に対し海外研修等のため奨励金を提供する事業。詳細は、4月に発表されるとのこと。
  最後に毛原清運営委員からは、密度の濃いプログラムに積極的に参加していただいた、他の運営委員の厳しい指摘もあったが、塾生の発表内容には総じて感銘を受けた、今後の活動と発展を期待しています、と閉会の言葉が述べられました。
 報告会終了後には、修了証書授与式と懇親会が開かれました。塾生は、互いに切磋琢磨しあえる仲間との出会いに感謝し、今後の活躍を誓い合いました。


最後に運営委員からは、どれも説得力のある企画で、奨励金を有効に利用してもらえたという印象を強く感じ、今後の活動に期待したいと話がありました。また、本事業の共催団体である(一財)MRAハウスの毛原運営委員からは、本事業は、参加する若者に夢を持ってほしいという思いと、アジアの若者と連携しながらよりよい世界を目指してほしいという考えがある。これからも皆さんの進路を一緒に支えていきたいと閉会の言葉がありました。

 今後もアジアNGOリーダー塾では、国境を越えて社会変革を目指す若者を応援してまいります。

◆(第1次)アジアNGOリーダー塾とは◆
http://acc21.org/action/anli.html
「アジアNGOリーダー塾」は、日本が深いつながりを持つアジアの中で、国境を越えて社会変革をめざす「21世紀を担うNGO起業家」の発掘・支援を目的に2009年度に開講された人材育成塾。2009~2013年度までを「第1次」として、講義と海外研修などを含む約9ヶ月間のカリキュラムを実施し、約40名が参加した。


◆NGO事業スタートアップ支援プロジェクト◆
「第1次アジアNGOリーダー塾」(2009~2013年度)の修了生を対象として、修了生のもつ構想を実現するためのスタートアップを支援。修了生による準備状況などの報告会や学習会、個別カウンセリング・サービスなどを行っている。

記録:福田

<写真でみる報告会の様子>

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