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2017年4月21日  

次世代を担うアジアの社会起業家へ
第2次アジアNGOリーダー塾
アジア域内のNGOでのインターンシップ報告会 開催報告

日時:2017年3月25日(土)14:00~17:00
場所:アジア文化会館地下1階 101教室
2016年3月25日、2016年度のインターンシップを行った塾生が学び、将来の計画と抱負について発表し、修了生が自身の活動について報告しました。報告会には、約25人(運営委員、元塾生、アジアNGOリーダー塾課題ゼミナールのリソースパーソン、学生など)が参加し、活発な質疑が行われました。

―1.塾生による報告―

吉野 華恵(2016年度 第8期塾生)
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【期間】 2017年1月25日~2月24日(30日間、移動日含む)
【関心・目的】 教育を通した平和構築
【団体名】 PAMULAAN, Center for Indigenous Peoples' Education
(パムラアン先住民族教育センター)
【実施地】 フィリピン、ミンダナオ島ダバオほか
【団体の活動内容】 先住民族の子どもたちへの教育支援、文化遺産保存活動、
コミュニティ開発など

<発表要旨>
【テーマ】
1. NGOが公教育でできないことをどのように果たそうとしているか
2. PAMULAANは教育を通して学生の人生のみならずコミュニティ開発にも影響を及ぼしている。
その包括的なマネジメントについて学ぶ。

私は中高一貫校で社会科の教員をしていましたが、2014年から16年にかけて青年海外協力隊としてアフリカのマラウイ国で農民グループの収入向上活動に携わった経験から、今後は途上国における教育支援に関わりたいと思うようになりました。そこで、NGOの活動に興味を持った私は、2016年秋、アジアNGOリーダー塾の門をたたきました。

先住民族に特化したカリキュラムとはどのようなものだろうと興味を持った私は、まず大学の授業に参加してみました。また、自分自身も「日本における少数民族」などのテーマでプレゼンをし、学生たちと意見交換し現実の声を拾うことができました。さらに、学生・スタッフ・保護者への聞き取り調査やアンケートを実施し、PAMULAANが掲げるビジョンに対して、その関係者である学生・スタッフ・保護者がどのような立ち位置をとっているのかを調べてみました。また、PAMULAANが、先住民族の栽培したコーヒー豆を用いて経営しているカフェを訪問し、組織の持続可能な維持と発展のためにPAMULAANがどのような手立てをとっているのか聞かせてもらいました。

これらの活動から得た気づきは、何か事を興そうとする際に必要なことは、明確なビジョンを持つこと・プラクティカルに物事を見て行動することの2つであるということです。また、学校という1つの中核的な活動の場を通して、家族・コミュニティ・地域全体が元気になっていく姿を見ることもできました。
アジアNGOリーダー塾で学んでみて、支援する者・される者が信頼関係に基づき対等に話し合うことの大切さ、日本や世界をどうしたいかというデザイナーとしての視点を持つこと、Asian Citizensの1人として何をすべきかを考える必要性を学ばせていただきました。半年前の自分と比較すると、ずいぶんと視野が広がったように思います。

吉野さんの詳しい発表内容はこちらへ


―2.修了生による報告―

柚木 理雄(2013年度 第5期塾生)

<発表要旨>
【テーマ】「『地域』創生。地域と世界をつなぐ『Little Japan』の取組み」

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17年1月まで農林水産省に勤務していましたが、東日本大震災が発生し、現場で課題に取り組みたいと思い、2012年12月、「芸術家の村(現:特定非営利活動法人)」を立ち上げました。現在は50名のメンバーで運営しています。また、当時、空き家問題に関心があり、バングラデシュでムハマドユヌスさんにお会いしたことをきっかけに、ソーシャルビジネスに関心を持ち、芸術家の村で「ソーシャルビジネスラボ(SBL)」を運営することにしました。1階はフェアトレードや、震災の復興商品などを扱うお店が入り、2、3階がNPO向けスペース、4、5階がシェアハウスとなっています。現在、10数社が利用しており、多くのNPOのお手伝いをするNPOに成長しました。

その後、「SOIF(ソイフ)」という寄付を集めるプラットフォームを、アジアNGOリーダー塾の5期生と2期生のメンバーを含め10人で始めました。毎月、複数のNPO団体が活動発表を行い、参加者は気に行ったNPO団体に毎月1万円を寄付します。投資のようなものです。いろんな分野で頑張っている人がいても、自分自身は全部にコミットできません。しかし、寄付をすることで、関与することができるようになります。これまでに寄付実績は約60団体、総額257万円になりました。

次に、新しく挑戦する「Little Japan」を紹介します。今の日本の市場は小さく、外に目を向けなければならないと感じています。そこで注目したのが"資源"です。日本にある資源、地方の資源を利用し、世界と繋ぐことができると考えています。第一弾として、空き家を活用したゲストハウスをこの4月にオープンします。全国の空き家は平成25年までの調査では820万戸(13.5%)あり、数年すると30%まで増えるとされています。一方で海外からの旅行者は今年2,000万人を超え、日本の観光産業は世界平均から見ても成長の余地があります。空き家を宿泊施設として"資源"に生まれ変わらせたいと考えました。私はバックパッカーで40か国を訪問し、京都のゲストハウスで1年間、住み込みのアルバイトをした経験がありましたから、これらの経験を活かすことができると考えました。

場所は、成田や羽田空港からアクセスのよい浅草橋です。2階から4階に34ベッドを準備します。10人程度が一日で入れ替わることが想定されるため、一人一人の顔を覚えたサービスを提供できると考えています。ゲストハウスの特徴は安さですが、日本が好きとか、旅行が好きとか、誰かと共有したいという人も多いです。そこで、1階には、地域に住んでいる人だけでなく、旅行者も一緒に街づくりを考える場として、デザインオフィスが入ることになっています。ラオスのフェアトレードコーヒーを提供するカフェバーもあります。 こちらが提供したいものと外国の方がほしいものにかい離があるという問題意識があり、ゲストハウスは外国人のニーズを把握するのに最適な場所で、個別にいろいろな話を聞き出すことができると思います。日本の地域の資源と世界を繋ぐ事業に発展させたいと考えています。さらに、地方の物産で販路ができていないものをネット上での販売や、外国からの旅行者の地方への移住支援もできたらと考えています。

【参考】
芸術家の村
ソーシャルビジネスラボ
SOIF 
Little Japan ウェブサイト
Little Japan Facebookページ
 



アジアNGOリーダー塾とは、日本が深いつながりを持つアジアの中で、国境を超えて社会変革をめざす「21世紀を担うNGO起業家」の発掘・支援を目的に、2009年度に開講た人材育成塾です。
2009年度からこれまでの8年間実施してきた「アジアNGOリーダー塾」は、2017年度より「アジア社会起業家育成塾」という名称に変更されます。間もなく、2017年度の塾生を募集しますのでどうぞお楽しみに!