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第2次 アジアNGOリーダー塾 2015年度 第3回課題ゼミナール
公益と経済活動-渋沢栄一の思想から学ぶ-


IMGP0018_500x375.jpg 9月5日(土)、渋沢栄一のひ孫にあたる渋沢雅英氏より、渋沢栄一の思想と事業活動を学ぶため、第3回課題ゼミナールを開催しました。塾生は、ゼミナールの前に「渋沢史料館」を見学し、理解を深めました。渋沢雅英氏は、栄一の人柄や価値観を示す様々なエピソードを話してくださいました。





【第3回課題別ゼミナール】
"公益と経済活動-渋沢栄一の思想から学ぶ-"
(リソースパーソン:渋沢雅英 (公財)渋沢栄一記念財団理事長)
【日 時】2015年9月5日(土)14:00~17:30

1. 塾生からの課題レポート発表と意見交換

塾生のファシリテートのもと、課題レポートの内容や史料館見学の感想、質問をあげ、意見交換を行いました。

<主な意見>
・「道徳経済合一説」や「合本主義」を参考にし、日本型の経営をどう組み直したらよいか、色々と考えたが、論語にある「利他主義」、または「社会のため、国のために貢献することが重要」という曖昧な答えしか自分自身には出てこなかった。しかし、渋沢栄一は、それを全てにおいて貫き実行するという強い信念を持っていたことがすごいと思った。

・渋沢栄一は、宗教や文化の違いに壁を作らず、相手の神髄を見抜き、良い関係を柔軟に構築されていたのだろう。学ぶところがある。

・渋沢栄一は、若くして江戸幕府に入ったときから多様な人間関係の中で「信用」と「社会性」を培ったのだろうと感じた。現代の社会でもこの点は重要。

・インドネシアなど、アジア的民主主義と言われるが、権力者が中心となり政策を進めており、財閥も政府との結びつきが強い。渋沢栄一のいう「合本主義」を広めることは、日本の貢献となりうるのではないか。

・(私が関心を持つ)「体育教育」は「道徳」を伝える良い手段。体育は体の発達に関係しているが、精神にも関わる。「スポーツマンシップ」などという言葉で表現される。「スポーツマンシップ」を辞書で調べると、「正々堂々、全力を尽くして競技するスポーツマンとしての態度・精神」とあり、渋沢氏のいう「消極的道徳」に繋がると感じた。「体育教育」が持つ意義を深めることができた。
*「人となしたなすべからざることをするな」という意味での道徳。英語ではpassive moralityと訳す。例えば、他人を欺くこと。(パトリック・フリデンソン/橘川武郎(2014)『グローバル資本主義の中の渋沢栄一』東洋経済新報社)

塾生の発表に対する渋沢雅英先生からのコメント(抜粋)
「渋沢栄一がそもそも『公益』という言葉を知っていたかどうかは、わかりません。しかし、彼の言葉でいう『道徳経済合一』について述べますと、栄一は論語を自分なりに理解し、儲ける目的は国の発展、社会の発展であり、きちんとした手段で儲けるのであれば良い、と考えていたようです。当時、日本が立ち上がり始めた時代で、栄一は『皆で豊かな国を造ろう』という意識があったようです。」


IMGP0027_web.jpg 2. 渋沢雅英先生によるご講話(抜粋)

次に渋沢雅英氏より、渋沢栄一氏の素晴らしさ、面白い点について、具体的なエピソードを複数、交えて説明がありました。同氏は、渋沢栄一の事務能力の高さ、管理能力の高さを挙げ、それが全ての基礎となっていたと話されました。また、渋沢栄一は日本の近代化という大きな使命感と目的があり、ビジネスも公共事業もその目的に沿って行っていたことなどを説明されました。さらに、人柄として、人間関係を柔軟に構築し、信頼を得ていたこと、粘り強い人であったことなどをお話くださいました。


3. 全体での意見交換、感想

全体で質疑応答を行い、ひとりの塾生より、「渋沢栄一さんがいらした時代や戦後、政治界でも経済界でも素晴らしい方がいたが、現代においても様々な問題があるにも関わらず、目立つ人が出てこないのはなぜかと友人と話していた。今回、お話を聞き、『目的』がどこにあるかが重要と感じた」と感想を話しました。


塾生は渋沢栄一の生き様に触れ、鼓舞される課題ゼミナールとなりました。

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以上
文責:事務局(西島)

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