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第2次 アジアNGOリーダー塾 2015年度 第4回課題ゼミナール
農村の問題を考える-私たちは何ができるか


IMG_3773-1.jpg アジア学院の荒川朋子校長を迎え、農業や食、農村の発展などについて議論しました。テーマは「農村の問題」でしたが、議論は都会の人の生活や経済の在り方にまでおよび、塾生は考えを深めることができました。




【第4回課題別ゼミナール】
"農村の問題を考える-私たちは何ができるか"
(リソースパーソン:荒川朋子 (学) アジア学院校長)
【日 時】2015年9月26日(土)14:00~17:30

1. 塾生からの課題レポート発表と意見交換

<塾生からの主な発表内容と意見>
「今回の課題書は「食」について振り返るよい機会になった。「飢餓と飽食の時代」というトピックには、はっとさせられた。先進国民こそ、意識すべき問題だと感じた。私のまわりには飢餓はなく、先進国では平気で食事を残す。私自身も、普通に食べることができることが当たり前と思っていて、その「当たり前」ということにまず先進国民は感謝するべきだと感じた。将来、途上国で体育教育に携わりたいが、中心にあるのは体づくりであり、その中で食は重要。途上国での「食」に関する研究に関心を持った。もしリサーチがあまりなかったら、これから取り扱っていきたい。」

「今回の課題を読み、一方的な支援ではなく、「共生」という視点で支援活動に取り組む必要があると感じた。日本社会が途上国の農村から学べる部分があると思う。お互いに学びながら、共生して高めあっていけるのではないか。このような考え方は農村問題以外でも、普遍化できる。」

「私は、子どもができてから、健康に育ってほしいと思うようになり、食に興味を持つようになった。農薬や種子にからむ利権など、いったいこの社会は何をしたいのか、と行き詰ってしまった。子どもにどのような愛情を持って農業をやっているかを見せ、体で気づかせていく必要がある。このような日々の活動が世の中の公平さに繫がるだろうと考えている。」

「読んでみて私が感じたのは私たちの食生活がいかに途上国に関わっているかということ。自分の殻から抜け出して、自分で食を作るという経験をしたいと感じた。」

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2. アジア学院と農村リーダーの育成について:荒川朋子リソースパーソンより

アジア学院の創設者である、高見先生は自然への尊敬と洞察が深く、自然の移り変わりや変化を良く見ていらした。畑もやるが、がつがつ働かず、じっと何かをみている。「人間と自然がどのように一緒に生きているか、生きていくべきか」を色々な人と共に探していこう、という姿勢であった。

アジア学院のモットーは「ともに生きるために」。英語では、「That we may live together」。誰とともに生きるか、それは「神」「自然」「人」であり、アジア学院には「love God, love nature, love neighbors」という三愛精神がある。

アジア学院の社会正義とは、「世界の人々がひとりの例外もなく、食べる喜びを感じながら、三食豊かな食卓につけること」。農村の人にとって「平和」、「正義」、「繁栄」とは、机の上にシンプルな食があること、土を耕し、田舎で生活に参加できるという自由があること。

アジア学院の根幹は「分かち合うこと」。分かち合うものは、あらゆる資源、時間、収穫、喜び、悲しみ、目に見えないもの、見えるものなど全てである。そのために必要な技術のひとつは「サーバント・リーダーシップ」という人々への愛を中心に置いたリーダーシップのあり方。

アジア学院の研修を通じ、参加者の意識は「農村にいるからできない」から「農村だからできる」へと変わっていく。農村には多様な可能性があり、人々が幸福でいられる(なれる)社会を創りだすことができる。

IMG_46082.jpg 写真:(学)アジア学院より

3. 全体での意見交換

●アジア学院は寄付にこだわっているが、どうしてか?

荒川: 私たちはビジョンやミッションを共有する人が増えることに価値を置いている。『寄付』とはみなで理想としている社会を作ろうというもの。寄付者は、自らの理想の活動を行うNGOを探し、お金でもって参加することができる。NGOはその想いに活動で応える。
伊藤*: それが寄付行為の持つメッセージである。そのため、寄付集めは、一人一人の理解を得、仲間を作るというとても大切な作業だ。
*伊藤:運営委員代表

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●都会の人の食や農業への関わり方は?
荒川: 都会の人がまずできることは、レトルトなどに頼らず、食事を自分で作ること。それが農業への入り口になる。そして、子どもに農業を体験させること。
塾生1: 農業への関心があるかないかは、情報量の差ではないか。
塾生2: この関心の差は『格差』と言える。
塾生3: 社会が分業制になり、他の人はどんな役割を担っているか分からなくなっている。貨幣経済の構造を変えないといけないのではないか。


IMG_3788.JPG ★最後にリソースパーソンの荒川氏から塾生たちにメッセージがありました★

・土に触れ、食べ物を作ることに関わってほしい。そうすれば、皆さん自身も変わるし、みなさんがこれから付き合っていく人々にも良い影響を与えることができるだろう。
・人にとってコミュニティに属することはとても大切。困難も支え合って乗り越えられる。


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以上
文責:事務局(西島)

◆アジアNGOリーダー塾とは◆
http://acc21.org/action/anli.html