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2019年4月10日  

【イベント報告】『食べて応援!スリランカ』(2019年2月9日)


インド洋に浮かぶ小さな島国、スリランカ。『アユルベーダ』の国として、日本の女性たちに人気がありますが、そのほかにも紅茶の一大産地として、また仏教寺院・遺跡、8つの世界遺産や豊かな自然環境(象などさまざまな野生生物、豊かな森林)などで近年、世界中の人々をひきつけています。

このイベントは、そんなスリランカをもっと知ってほしい、という思いで、『食べて応援!スリランカ』はスリランカ在住経験者や南アジアの料理研究家からなる有志チーム(*)により企画されました。

開催当日は朝から雪がちらつき、電車遅延などが心配されましたが、申し込みをされたほぼ全員の方々30人余りが来てくださいました。スリランカ・カレー独特の甘い香りが漂うなか、新宿の街並みを見下ろす会場でイベントは始まりました。

まず調理の陣頭指揮をとられた小神野さんから、スパイスを多用する薬膳料理でもあるスリランカ・カレーの特徴と、主なスパイスや食材について説明しました。「くらしにツナガルHat Work」の坂口さんがバナナの葉の上に料理を美しく盛り付けてデモンストレーションをされた後、参加者それぞれがお皿にとり、食事がスタート。

バナナの葉を敷いたお皿に8種類の料理をとっていきます

メニューは、カレー4種(レンズ豆、かぼちゃ、大根、チキン)とキャベツのマッルン(キャベツとココナッツファインの炒め物)、ポル・サンボーラ(ココナッツファインとモルディブフィッシュを混ぜたふりかけ)、シーニ・サンボーラ(スリランカ風玉ねぎの佃煮)、パパダム(豆や小麦粉でできた生地を揚げたチップス)という豪華さ!

でも、イベントだから種類が多いのではなく、スリランカで日常的に食されているものばかりです。
バナナの葉のうえに盛り付けられた料理

初めて顔を合わせた人が多い中、お隣同士で楽しく会話をしながら、2回、3回とお替りしてくださいました。
デザートには、ヨーグルトにクジャクヤシの蜜"キトゥル・パニ"をかけたスリランカの定番デザート「ミーキリ」と、香り高いセイロンティーとミルクを合わせた「チャイ」。
セイロンティーについて説明する有志の高見さん(写真左)

食後のデザートをいただきながら、スリランカの歴史と概要、日本との深い関係、そしてACC21が2年前からスリランカ女性の自立支援を行っているACC21のプロジェクトを紹介しました。

会場ではスクリーン近くまで来て熱心に話を聴いてくださいました

紀元前5世紀にアヌラーダプラ王国として始まった長い歴史をもつスリランカは、日本とも関係が深い国です。

第二次世界大戦後の連合国による対日講和会議(サンフランシスコ講和会議、1951年)では、スリランカのジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナ蔵相(後の第2代大統領、1996年没)が、「憎悪は憎悪によって止むことはなく、愛によって止む」という仏陀の言葉を引用し、日本への賠償請求を放棄することを求める演説を行いました。

ポルトガル、オランダ、イギリスによる植民地支配を経て、1948年2月にイギリス連邦内の自治領として独立したスリランカ。2009年までの26年にわたる内戦に加え、2004年末のインド洋津波では3万5千人が死亡し、51万6千人が家を失うなど、悲しい歴史があります。

ACC21はACT事務局として津波被災地の女性の自立支援を10年間行うなかで、長い間社会の片隅に追いやられてきた女性たちの苦悩を知り、『女性のエンパワメントを推進するためには、女性が主体的に経済活動を行い、地場産業へと発展させ、家庭や地域社会で認知度や自尊心を高めることが重要』ではないかと考えるに至りました。

「スリランカ女性住民組織による共同農業ビジネス開発と市場開拓を通じた地場産業の育成と女性のエンパワメント」 は、そうした考えをもとに、2017年から地元の女性組織UWWO「ウバ・ウェラッサ女性団体」と共同で企画し、18女性組織のメンバー780人とともに実施しているプロジェクトです。
米粉のパンケーキ「ホッパー」をつくる現地の女性

このプロジェクトではピーナッツの特産地である南東部のウバ州モナラガラ県ウェラワヤで長く仲買人に買い叩かれてきた女性農家が、付加価値製品(殻剥きをした高品質ピーナッツ)の生産と大口業者への販売、有機農産物の販売を行っています。会場では彼女たちが日々取り組んでいるようすを写真と映像を交えてご紹介し、参加者は熱心に耳を傾けてくださいました。

殻を剥いたピーナッツを大きさ別に分類するウバ州の女性たち

「素材の味が豊かに広がる」「混ざりあって食べながらどんどんおいしくなりました」「現地よりもまろやか」と食事のご感想とともに、「応援したい」など、励みになるメッセージをたくさんいただき、有志メンバーも心を熱くした一日となりました。参加者の皆さん、本当にありがとうございました。


*『食べて応援!スリランカ』を企画・運営した有志チームのメンバー
「くらしにツナガルHat Work 」、Ayako Ogamino さん、合同会社 坐忘、ACC21