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2019年9月12日  

【イベント報告】SDGsとわたしたちにできること
ー英語と日本語で考える国際協力ー (2019年8月8日)


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2015年に日本を含む世界193カ国によって採択され、「誰一人とりのこさない」をスローガンに掲げる持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)。2030年までに達成すべき17のゴールと169のターゲットから構成された国際目標です。

世界各国がその目標の達成に向けてさまざまな取り組みに着手していますが、日本国内では欧米の先進諸国と比較してSDGsの認知度は高いとはいえず、自分ごととしてとらえ、取り組んでいる人は少ないかもしれません。

そこでACC21では、2019年8月8日にアメリカからサマーインターンとして来日していたスカイラー・ショルマンさん(カリフォルニア大学バークレー校2年生、当時)を囲んで「SDGsとわたしたちにできることー英語と日本語で考える国際協力ー」 と題したイベントを開催しました。

ACC21がどのようにSDGsの達成に貢献しているのか、アメリカの若者はどのように国際協力に取り組んでいるのかをお話しし、一人ひとりどのようなことに取り組めるのか考える時間としました。

はじめにACC21の広報担当・辻本よりACC21の取り組みとSDGsとのゴールについて紹介しました。

ACC21の、フィリピンでは路上で暮らす若者たちの自立支援、スリランカでは地場産業の育成を通じた女性農家のエンパワメントという主要な2事業では、主に次の4つの目標の達成に貢献する活動に取り組んでいます。

目標1:あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
目標4:すべての人々への、包括的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
目標5:ジェンダー平等を達成し、すべての女性と女児の能力強化を行う
目標8:包括的かつ持続可能な経済成長 及びすべての人々の働きがいのある人間らしい雇用の促進

Picture2.png 以上の問題に関わる現状について、統計データや事例をもちいて説明しました。たとえば、「極度の貧困」とは、生きるのに必要な食べ物すら手に入れられないほどの貧困状態を指し、より具体的には1日あたり1.9ドル以下で生活をする人々がこの貧困にあたるとされています。

2015年には世界人口の約10%にあたる7.36億人が極度の貧困のもとで生活をしていましたが、2018年時点では世界人口の約8.6%と減少に向かっています(※1)。しかし、このペースではSDGsの目標である2030年までに0にはならず6%程度となる見込みであるため、まだまだNGO等の取り組みが必要であることをお伝えしました。

そして、ACC21の事業を通じて、フィリピンの路上やスリランカの農村で暮らす人々がどのような困難を抱えていて、活動を通じてどう変わったかをお話しました。

次にスカイラーさんがアメリカの国際協力について話しました。アメリカは歴史的に多様な人々を受け入れきた国です。そのため、アメリカ人には多様性を認めることや困っている人がいたら手を差し伸べることは当たり前だという認識があるそうです。

その一方で、アメリカにおいてSDGsの政策への反映は他のG20の国々に遅れを取っているという調査結果(※2)を示し、国としてなかなか積極的に取り組まないからこそ市民の取り組みが重要になってくると強調しました。特に学生の取り組みは盛んで、大学内では毎年、500以上のボランティア団体とボランティア希望者のマッチングを行うイベントが開催され、1万人が参加するといいます。

スカイラーさん自身もこのイベントを通してペルーの水道整備プロジェクトに参加しました。工学を専攻する学生たちが実際にペルーに渡って設計・建設に携わる一方でスカイラーさんはアメリカ国内で広報や資金調達をサポート。「技術的な専門性がなくても自分が果たせる役割はあるはずなので、臆せず色々なことに取り組んでほしいです」と参加者の方々にメッセージを贈りました。

Picture3.png 最後にACC21広報の辻本とスカイラーさん、インターンの松原の3人でトークセッションを行いました。英語を母語とするスカイラーさんがいるこの機会にSDGsの"S"である"Sustainable"、日本語でいう「持続可能」という言葉について考えました。

会場の高校生に尋ねると、「この言葉には"クリーンエネルギー"や、"使ってもなくならない"というイメージがある」との意見を出してくれました。スカイラーさんは似たような意味を持つ「Continuous」と比較をしながらその違いを説明しました。

「Continuous」はそれ自体が続いていくイメージがある一方で「Sustainable」は続けさせなくてならない、守るべき重要性を含んでいるイメージがあるといいます。このようなイメージが地球や社会の持続可能な発展の基盤となっているのでしょう。

参加者の半数以上が高校生となった今回のイベント。若いうちから世界の取り組むべき課題に関心をもって知ろうとする姿勢、発信しようとする姿勢は主催者側も感銘を受けました。今回のイベントが実際にアクションを起こすきっかけとなれば幸いです。今回ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

<報告:松原 信英>

※1 Sustainable Development Goals 2019
※2 SDG INDEX AND DASHBOARDS REPORT 2018